第二十四話 浦少佐!俺の胃袋は異次元だ!!その十三
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「この一杯で私も」
「俺達はその一杯がだよ」
「無理か」
「くっ、あと一杯とデザートのな」
「北極のアイスキャンデーを食えば」
それで、なのだ。
「俺達の勝利だってのにな」
「それがな」
「この一杯、そして一本が」
「食えない」
「あと少しだってのに」
二人はこのことを悔やむかに見えた、しかし。
この二人は後悔という言葉を知らない、尚反省だのそうした言葉も知らない。そして正々堂々という言葉もだ。
だからだ、尚智は尚武に言った。
「ここは切り札だ」
「ああ、あれだな」
「あれを出すぞ」
「よし、エリクサーだ!」
二人でこう叫んでだ、何処からか。
ある粉末薬を出して飲んだ、そして。
瞬時にだ、二人は元気を取り戻して言った。
「これでよし!」
「一杯と一本いけるようになったぜ!」
「俺達の勝ちだ!」
「秘薬エリクサーの力を見ろ!」
こう叫ぶつつだ、二人は一気にうどんを食い。
最後のアイスキャンデーも食べた、そして言ったのだった。
「よし、勝った!」
「やったぜ!」
「どうだ、俺達の勝利だ!」
「フードファイトも勝ったぜ!」
「おい待て」
勝利を自分達だけで祝う二人にだ、審判役の市長が言って来た。
「何飲んだんだ」
「だからエリクサーだよ」
「俺達のアイテムだよ」
二人は市長に平然として答えた。
「もっと言うと胃腸薬な」
「消化促進のな」
「それ飲んだだけだよ」
「ルールにはそうした薬飲むなって書いてねえぞ」
「そんなの言うまでもないだろ」
書く以前の問題だというのだ、フードファイトにおいては。
「汚いことするな」
「だからルールに書いてないだろ」
「じゃあいいんだよ」
二人はいつもの論理で反論した。
「俺達はルールに違反してねえぜ」
「書いていないのが悪いんだよ」
「書き忘れてもでそんなことしないだろっていうのもな」
「俺達には通用しないからな」
そしてそのルールの盲点を衝いてなのだ。
「勝ったんだよ、俺達」
「それでわかったな」
「くそっ、何て奴等だ」
市長はここに至って実に忌々しげな顔で舌打ちした。
「性根が腐りきってる」
「おいおい、そう言うのかよ」
「それはないだろ」
二人は汚物を見る目で自分達を見ている市長に言い返した。
「性根が腐ってるとかな」
「それはないだろ」
「俺達正義の味方だぜ」
「犯罪者じゃないんだぞ」
「あんた弁護士出身だろ、そもそも」
「弁護士だとな」
この作品はフィクションです、実在の人物、団体とは何の関係もありません。似ていてもそれはあなたの気のせいです。
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