魔法舞踏会
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める。指輪を盗みに来たんだろ?知ってるよ。
「前回は失敗したが、さらに7年も辛抱強く待ったのは、アチェート、お前にプロポーズするためだ」
ベルベノはさっき手に入れた指輪を見せる。え?何この展開・・・
「え?」
「プロポーズ!?」
「お前とはガキの頃からの付き合いだったが、俺はずっと、お前に惚れてたんだぜ」
ベルベノは自分の気持ちを伝えるが、それをバルサミコ伯爵が黙って聞いているはずがない。
「使用人の息子だった貴様を、特別に娘の遊び相手にしてやった恩を忘れたか!!」
「はん!!あんたに屋敷を追い出されてから、何度もアチェートに会いに行ったが、あんたは身分違いを理由に、毎回門前払いしてくれたな!」
「え!?パパ、そんなの私聞いてない!!」
「!!!! お前は黙っていなさい!!」
バルサミコ伯爵は慌てた様子でジタバタと手を動かす。
「俺もそのごもっともな理由で勝手にアチェートのことを諦めた。だがそのせいで心がすさんじまって、いつしか悪事に手を染め、気がつきゃ刑務所暮らしよ」
ベルベノは悲しそうな声で語る。
「あいつ何をごちゃごちゃと・・・」
「待て」
イライラし始めるナツさんをエルザさんは止める。ベルベノは顔を上げ、アチェートさんを見据える。
「でもよ、務所の中でお前に気持ちを伝えなかったことをずっと後悔してたんだ。だから俺は脱獄して、この7年に一度のチャンスに賭けたのよ。しかも二度もな!!」
7年に一度・・・しかも二回もチャレンジするのを考えると、ベルベノのアチェートさんへの想いは本気なのだろう。ベルベノはアチェートさんの前に行き、片膝をつく。
「アチェート、俺の嫁さんになってくれ」
ベルベノはアチェートさんにプロポーズする資格である指輪を差し出す。やべぇ、超かっこいいぞ!!
「そ・・・そんなもん断るに決まっておる!!」
バルサミコ伯爵はそう言う。アチェートさんはベルベノへと近づき、
「はい!」
まんべんの笑みで答える。
「え?」
ベルベノは予想外だったらしく、くわえていた葉巻を落とす。
「「「「「「えええっ!?」」」」」」
俺たちも予想外だったため、一瞬遅れて驚く。
「アチェート!!」
「ベルベノ、私もずっとあなたを待っていたのよ!!」
「本当か!?じゃあ、本当に俺の嫁さんになってくれるのか!?」
ベルベノはアチェートさんに再度確認する。
「ただし・・・自首して。罪を償ってからよ」
「・・・わかった」
ベルベノは愛するアチェートさんの説得により、自首することを決めた。アチェートさんは、ベルベノに左手を出す。
ベルベノはその手の薬指にに指輪をはめる。それと同時に、会場中は歓声に包まれた
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