オリヴァス・アクト
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所属【ファミリア】も消滅しています」
レフィーヤの問いに答えたのはアンドロメダだった。男の情報が語られる。
「悪名高きあの闇派閥の使徒……そして、『二十七階層の悪夢』の首謀者」
「ーーっ!?」
レフィーヤがフィルヴィスさんの方に振り返った。
『二十七階層の悪夢』。フィルヴィスさんから仲間とエルフの誇りを奪った、直接の原因。
チラリと視線をやれば、フィルヴィスさんは顔の色をなくし、立ち尽くしたままだった。
「彼自身、あの事件の中でギルド傘下の【ファミリア】に追い詰められ、最後はモンスターの餌食に……食い千切られた無残な下半身だけが残り、死亡が確認されたはず」
そう語るアンドロメダは男をまじまじと見つめた。
「生きていたのですか……」
「いや、死んだ。だが死の淵から、私は蘇った」
アンドロメダの問いにオリヴァスは誇らしげに答えた。
そして、俺はその体を見て、気づく。
破けた服の中、その下半身。足はまるで食人花のように黄緑色に染まり、その抉れた胸部には極彩色に輝く結晶が埋め込まれていた。
「私は二つ目の命を授かったのだ! 他ならない、『彼女』に!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
嬉々とした表情なオリヴァスを俺は一人、睨んでいた。
まさか、俺と同じ転生……いや、あいつは『彼女』と言ったか。
視線を移すとそこにあるのは石英の大主柱に寄生する雌の胎児。オリヴァスが彼女と呼ぶのは多分あれのことだ。
「一体、何の冗談ですか……」
アンドロメダが言葉をこぼした。
人なのか、あるいはモンスターなのか。俺的には多分後者。
「私は、人と、モンスターの力を兼ね備えた至上の存在だ!」
オリヴァスは俺達を見下すようにして高言を吐いた。が、次の瞬間
「ゴホアッ!?」
口から血を吐き出した。
「な、何故だ!? 傷はもう塞がったはず……!?」
そしてオリヴァスは気付く。
己の体の右手、腹部、右足。その他にも様々な部位。その傷が癒えていないことに。
「な、なんだこれは……!?」
「至上の存在? 俺から言わせてみればプギャーwwwな話だぜ」
オリヴァスを含めた一同の視線が一斉にこちらに向いた。
俺はせせら笑って集団の中から歩み出る。
「どうだい? 癒えない傷ってのはなかなか効くもんだろ?」
「き、貴様かぁ……!?」
忌々しげに叫ぶオリヴァスを他所に、俺は黄槍、必滅の黄薔薇の切っ先を向ける。
フィオナ騎士団最強と言われた騎士、ディルムッド・オディナ。そのディルムッドが使用していた二振りの槍のうちの一つ。それがこの|必
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