オリヴァス・アクト
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普通なら脅威とも言える一撃だ。俺だって生身で受けたくない。
それを防ぐその硬さはかなりのものか。
「どらっ!!」
ローガが飛び退いたのと同時に、大上段からの紅槍の降り下ろし。男めがけて放ったそれは腕を浅く斬るだけに終わり、地面を砕いた。
「しっかり狙え!」
「言われずともなぁ!」
だが、これは単なる囮。本命は俺の左手。
紅槍を避けたことで少し体勢の崩れていた男の胸に必滅の一撃を繰り出した。
男の目が見開かれ、防御のために、間に腕が入ってくる。
だが、それでも構わない。
先程までローガの蹴りを防いでいた腕を黄槍は容易く貫通。俺はそのまま槍を振り、男の腕を斬り落とした。
「グアッ!? 貴様ぁ!!」
「余所見すんじゃねぇぞ!!」
腕を斬り落とされたことで、怒りの目をこちらに向けた男。その隙にローガが男の背を蹴り飛ばす。
「がぁっ!?」
「フハハハ! いい様だぁ!!」
背を蹴られたことで退け反った男の体に槍の連撃を叩き込む。
「来いっ、撃て!!」
ローガが何か叫ぶ。一瞬後方に目を向けると、そこには魔法は放つ寸前のレフィーヤ。
何をする気だ?
疑問に思いつつも、攻撃は止めない。紅槍が腕を斬りつけ、黄槍が右足を貫く。
「【アルクス・レイ】!!」
光が弾け、大光閃が放たれた。
一直線に伸びる光の柱は男を狙うかのように思えた。
だが、直後。それは直角に折れ曲がった。
これには、男も、さすがの俺も驚いた。自動追尾の効果があるのか!?
そしてそれはローガのもとへ。
飛来してくる光の巨矢に、メタルブーツを叩きつけた。
「上出来だ」
メタルブーツが光を放つ。
一瞬で理解した。あれは、魔法を吸収して威力をあげる武器なのだと。
ローガの口端が吊り上がるのと同時に、俺も笑みを浮かべた。
「持ってけぇ!! 【凶狼】!!」
男に黄槍をぶっ刺し、遠心力を使ってローガの元に投げ飛ばした。
「死ね」
「っっ!?」
狙いすました最高速度の肉薄。
投げ飛ばされている男に回避する余地はなく、ローガは閃光の一撃を叩き込んだ。
「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!?」
魔法の威力とブーツの攻撃力の合わさった蹴撃が男に炸裂した。
防御もままならぬまま、男は巨星のごとき大光華に包み込まれ、凄まじい勢いで後方へと吹き飛んだ。
背中で緑肉の地面を削り取りながら勢いは止まらず、モンスターの死灰を巻き込み、巨大花寄生する大主柱の前で漸く止まった。
「やったのか……?」
「フィルヴィスさん、あかん。それ生存フラグや」
「お前が何言ってるのかわか
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