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ダンジョンに転生者が来るのは間違っているだろうか
オリヴァス・アクト
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て別の場所へ投げ飛ばされた。

「冒険者めぇ!!!」

白ずくめの男の憎しみに満ちた声が響く。

「【雨の如く降りそそぎ、蛮族どもを焼き払え】!!」

そして、レフィーヤの詠唱が完成した。

「ローガ! アンドロメダ! 退けぇ!!」

俺の声に反応した二人が白ずくめの男から一気に距離をとってレフィーヤのもとまで下がってきた。かくいう俺も本を消し、怪魔を消滅させると直ぐに引いた。

「【ヒュゼレイド・ファラーリカ】!!」

火炎の豪雨が降りそそぐ。
弧を描く大量の魔法弾は大空洞の五割もの空間を覆い、モンスター達をまとめて撃滅してのける。

「おお……ずっげぇなこれ…」

思わず声が漏れた。
広域攻撃魔法。俺の魔法とはことごとく相性の悪い魔法だ。戦車でも怪魔でも、下手すれば王の軍勢でもやられかねない。唯一の救いは、ランサーの対魔力Bのお陰で俺自身には効果が薄いということか

「【秘剣(トランプ)】、先程は足止め、助かりました。……それにしても、変わった魔法でしたね」

「教えねえよ? 君のとこの主神様にはなかなか油断ならないからな」

殲滅されていくモンスター達を見る。だが、話は続けられそうにない。
俺の視線の先、そこには無傷で立つ白ずくめの男。どうやら、ローブの集団は全員消えたようだった。

「俺とローガが出る。アンドロメダは自分のパーティに戻っといてくれ」

「では頼みます」

レフィーヤの魔法が終わる。俺はそのタイミングを見計らって、男の元に飛び出した。ローガも並走している。

「ローガ、あいつ、どうだった?」

「くっそ硬ぇ。俺の蹴りを生身で受けても効いちゃいねえ。それに、力だけなら癪だが、あっちが上だ」

なるほど、と俺は駆けながら肩の袋へと手を伸ばす。
取り出したのは二本の槍。破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)だ。今回は本気で殺しにかかる。

「……お前、刀じゃねえのか」

「生憎、これはちょいと特別でな。殺すとかはこのスタイルだ」

右手に紅槍、左手に黄槍。
ランサーであるディルムッド・オディナのバトルスタイルだ。

「おのれぇ……!! 冒険者めぇ……!!」

怒りでわなわなと震える男を前に武器を構える。初めに飛び出したのはローガだった。

「オラァッ!!」

「チィッ!!」

鎌のように放たれる上段蹴りを避ける男だったが、そこへ俺が紅槍をつき出した。

「なっ!?」

辛うじてそれもかわすがその間にローガが軸足を変えて回し蹴りを放つ。

「グゥッ!?」

しかし男はそれ。右腕でガード。
なるほど、ローガが硬いといったのは本当だったか。
第一級冒険者の攻撃は
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