オリヴァス・アクト
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せる。負傷はするが、これで致命傷には至らないはずだ。
さっき俺が突っ込んだときに燃えたのはこれの発火装置が起動したからなのだろう。
「大丈夫か!?」
「ああ、助かった! こっちはもう大丈夫!」
虎人の青年がお礼の返事を返してくる。腕を少し焼かれたようだが、問題は無さそうだ。
その声を聞いた俺は直ぐ様戦車を動かし、ローガとアンドロメダの元に向かう。が、そこであの白ずくめの男の声が響いた。
「クッ!! 食人花!!」
その瞬間、大空洞のモンスターが一斉に首をもたげた。
統率されたように、沈黙を破って凄まじい勢いで行動を開始する。
見ていなかったが、この食料庫に続く通路口に黒檻が置かれていたようで、そこからモンスターの大群が蛇行して襲いかかる。
モンスターは先程の【ヘルメス・ファミリア】のもと、そして現在交戦中のローガとアンドロメダのもとまで向かっているようだ。
戦車の突進じゃ対応できないっ!!
そう判断した俺は素早く詠唱を紡ぎ、手元に一冊の本を召喚した。
「お前らぁ!! モンスターは全部まかせろぉ!!」
雄叫びとともに本を開く
「怪魔召喚っ!!」
魔力を消費し、魔法を行使する。
呼び出されたのは数えるのがバカらしくなるほどの怪魔の群れ。だが、昨日のよりも圧倒的に多い。呼び出した俺でさえゾッとするほどだ。
この場にいる全員が突然現れた怪魔に警戒の声をあげた。見た目モンスターだから仕方ない。
が、それらが植物モンスターを相手に動きだすと、【ヘルメス・ファミリア】の団員とローガ、アンドロメダはこちらを一瞥してから、再び戦闘に入った。
「レフィーヤ!! こっちは抑える! 一発でかいの頼んだぞ!!」
「は、はいっ!!」
奥で応戦していたレフィーヤが魔法の行使の準備に入った。
「【誇り高き戦士よ、森の射手隊よ。押し寄せる略奪者を前に弓を取れ。同胞の声に応え、矢を番えよ】」
怪魔が食人花と呼ばれたモンスターの触手に触手で応戦し、俺の前方で戦う三者への介入を決して許さない。
個としての力は向こうにあるが、数とそして何より再生と増殖という能力を持った怪魔が有利だ。
「食人花!!」
戦況を覆そうとしたのか、男が更にモンスターを呼ぶ。
俺たちの遥か頭上、緑肉の天井に無数に存在する蕾が複数開花した。怪魔に負けず劣らずの醜悪な牙と口。真下に晒し、次々と落下してくる。
場所はローガの上!
「やらせるかぁ!」
怪魔に指示を出し、落下してくる食人花のモンスターを触手で縛り上げる。
身動きの取れない空中で体を拘束されたモンスターは怪魔によっ
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