第24話
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、華琳と郭嘉の両名は袁紹の策を――そして意図を理解した。
「我に対する失望、払拭されたか?」
「…………ええ」
袁紹はそんな彼女達と共にその光景を眺めていた。本来であれば『宴』の中心にいるべき人物がである。
先ほどの発言で華琳が自分に失望しているのは気付いていた。背中越しに殺気に近い視線を浴びていたし。彼女からすれば袁紹『自身』の言葉で自分に対抗するのを期待していたのだろう。
残念な事に袁紹にはその気はなかったが……
以前語ってある通り袁紹はこの地における最大戦力を有している。単純な武力は恋が、そして兵数も多いのだが――その殆どは非戦闘員だ。帯剣をしているが飾りに過ぎず。彼等の役目は天幕の設置や食事の準備などである雑用と、『黄巾の懐柔』である。
彼等は南皮に辿り着いた元『難民』達で構成されていた。
「難民達を使う?」
「はい〜」
黄巾達の懐柔を目的の一つにした袁紹は、当初は華琳のように己が矢面に立ち説得を試みようとしていた。それに対し風が待ったを掛ける。
自分達にはそれに最も適した人材、元難民達がいるのだ。使わない手は無い。
仮にも漢の忠臣である袁紹と、黄巾と同じような境遇にあった難民達、どちらの話しに耳を傾けやすいかと言われれば後者だろう。袁紹はこれに納得し採用しようとしたのだが――
「お待ち下さい麗覇様、私に懸念が御座います」
そこへさらに桂花が待ったを掛ける。諸侯の動きは風が目を利かせていたが桂花は過去の憧れもあり、ある軍の動きに注目していた。
曹操軍だ。彼女達の動きがやけに鈍い。諸侯と協力しているともとれるがこれはまるで――
「まるで一ヶ所に黄巾を集めるように働きかけています」
「……一網打尽にするのが目的では?」
「だとしても追撃の手を緩める理由になりません。私にはわざと加減しているように見えます」
「華り……孟徳の目的は別にある……か」
「あるいは、黄巾の兵力を取り込もうとしているかもですね〜」
もしそうだとすれば彼女自身の言葉と覇気で説得を試みるだろう。私塾の頃から良く知る袁紹はそう結論付けた。
「風、万が一先を越され、孟徳の言葉に黄巾達が魅せられた場合。我等が入り込む策はあるか?」
「ありますよ〜、桂花さんには怒られそうですけど……」
この後メチャメチャ怒られた。
こうして黄巾達に食事と酒が用意された。始めは恐る恐るだった彼等も、配膳をしている者達が元難民であることがわかると安心し。談笑しながら食事に手をつけ始めた。
戦の空気から開放され、空腹が食事で満たされ、似た立場の者達と苦労を話し合う。……すると
華琳により満
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