15.表は白く、裏は黒く
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ぎる二人が普通に会話するのに数分を擁したことは、むしろ予想より早かったと驚嘆すべき事なのかもしれない。
「しかし、リングアベルは一緒じゃないんだね?おおかたヨソの女の子とデートでもしてるんだろうなぁ………むぅ、主神を差し置いて別の女にお熱とはこれ如何に!?」
「あはははっ!流石は神様、先輩の行動もお見通しですね!猫の恩返しとか言ってたのできっと相手はキャットピープルの女の子ですよ?」
「もう、節操なしなんだから!聞いてよベル君!リングアベルったら眷属契約の翌日にはもう教会の前で女の子を口説いてたんだよ!?……そして逆にベル君は妙にモテてるみたいだしねぇ?」
「そ、そんなことないですって!僕は神様が一番ですっ!!」
「………そういうこと言ってすぐボクの心を惑わして……イケない子だ!でもベルくんは許す!」
リングアベルだと許されないらしい。その辺の事情は不明だ。
しかし、考えてみればベルにとってヘスティアと二人きりという状況は珍しい展開だ。普段はリングアベルと一緒にヘスティアの下へ帰るという感覚なので、次に続く言葉があまり思いつかない。
ふと、「こういう時に気の利いた事を言えるのがいい男の条件だ!」というリングアベルのイイ笑顔が頭に思い浮かぶ。憧れのアイズ・ヴァレンシュタインに近づくための女性との接し方レッスンで享受されたアドバイスである。
……ちなみにベルはリングアベルに憧れる余り彼の台詞をまとめた「R(リングアベル)の名言録」なる本をこっそり執筆中である。この本が後に大ヒットを記録して世界で飛ぶように売れる事に、まだファミリア達は気付いていない。
それはさておき、敬愛する先輩(若干脳内で美化されている)に背中を押されたベルはここで1つ神様にかけるナイスな言葉を思いついた。
「神様!実は僕、行きつけの店の人に頼まれてシルさんって人を探してるんですけど……見つかるまでの間、一緒に町を見て回りませんか?先輩がデートしてるならこっちもこっちで楽しみましょうよ!」
「おお!それはナイスなアイデアじゃないか!!……ついでっていうのがアレだけど」
「なら、用事が終わった暁には今度こそ本デートってことで、ね?」
「まぁベル君ったら……もう、しばらく見ないうちにお誘い上手になっちゃって!」
心のどこかで「段々リングアベルに似てきたなぁ」と思いつつも、それでも嬉しかったヘスティアは肘でこのこの!とベルをつついてベルを困らせるのであった。
――同刻、とある女神の手によって、ガネーシャ・ファミリアのテイムモンスター数頭が脱走。
そして同時期に、ガネーシャ・ファミリア所属の少女と町中の猫が忽然と居なくなった。
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