主神御乱心
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「も、もっと気持ちを込めぬか、気持ちを!」
「ごめんなさい?」
「なぜに疑問形なのじゃ!もう、いい。デイドラには高すぎるハードルじゃった。それより、汝は全ての非は自分にあると認めるということでよいな」
一向に望んだことをしないデイドラに痺れを切らして、先を促した。
「?…………うん」
疑問符を頭上に浮かべながらもデイドラは頷き、それに満足したようにテュールは嬉々とした笑みを浮かべて、
「ならば、いかような処罰を受けても文句はあるまいな?」
と、言った。
まさにその言葉を持っていたと言わんばかりの反応だった。
「…………うん」
嵌められた感でいっぱいで、どこか納得のいかないような気持ちもあったが、実際自分に全ての非があるのは事実で、罰を受けるのは当然のことだったので、デイドラは嫌な予感を抱えながら答えた。
「うむ、では刑を言い渡す」
と、厳めしい顔を作ったテュールは言うと、
「主文、被告人を禁固一週間に処する。今後一週間はホームから、いや妾のベッドから離れることを許さん」
と、続けた。
「ええっ!私、デイドラと怪物祭に行くつもりだったのに」
「私だってそうよ。そのために休暇をとったのよ」
「差し出がましいようですが、それは現実的な処罰ではないと思います。食事はできても体を洗ったり、排泄はどうなさるつもりですか?それに私もデイドラを息抜きに怪物祭を案内しようと思っていたのですが」
その判決に第三者委員会から不満が噴出した。
しかし、裁判長、もといテュールはそれらの不満には耳を傾けず、『怪物祭』の言葉のみを拾っていた。
ぐるんと首を回し、壁にかかっていたぼろけたカレンダーを見ると、二日後の日付には自分の字で怪物祭と書かれているのが見えた。
「そうじゃな………………では妾のそばを一週間離れてはならぬことにするか」
しばらく眺めてから、テュールは白々しく言った。
「それ、テュール様がデイドラを独り占めしたいだけですよね!!」
「ええ、そうとしか思えないわね」
「ええいっ!うるさい、うるさい!これはデイドラのことを最優先に考えてのことじゃし、既に決定事項じゃ!」
「テュール様、デイドラは誰のものでもないと言われたばかりでしょう」
「そうね、ならここは処分は別にして怪物祭のことはデイドラに訊けばいいんじゃないかしら」
「…………………………ん?」
目の前の四人が何にそれほどむきになっているのかわからず、後は成り行きに任せるとというスタンスで、四人から二歩さがったところでボーッとしていたデイドラは突然の指名に首を傾げた。
「ん?、ではない、デイドラ。私たち
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