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ダンジョンに復讐を求めるの間違っているだろうか
煉獄からの遣い
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デイドラの言葉に我知らず声が怒気を孕む。

、「デイドラが闘えるはずもない身体でダンジョンに行ったって聞いたからに決まってるじゃん!というか、何で潜ったの!馬鹿!!」

 デイドラが、自分がどれほど心配したのか知りもしないで、能天気に言ったことにかっとなったリズは、デイドラの両肩を掴んで自分に向き直させ、怒りの意志をあらわにして怒鳴った。

 「す、すまん…………」

 リズによもや面と向かって怒鳴り付けれるとは思っていなかったデイドラは力のない尻すぼみの返事をする。
 そんなデイドラらしからぬ反応に初めて自分の蛮行に気付いてばっと手を離したリズだったが、途中で自分の怒りは正当だと思い直したのか、ぷいっと不機嫌を隠すことなく背を向けた。

 「……………………」
 「……………………」

 デイドラは何がリズを怒らせたのか全くわからず、思案に暮れて黙り、リズは唇を一文字に引き締めて一言も言葉も交わしたくないとばかりに黙り、二人の間に不可視の壁ができあがる。
 これでは(らち)が明かないし、ここに留まるのもどう考えても危険だと、わかっていてもデイドラはかけるべき言葉など皆目見当がつかず、黙りこくっていたが、自分が何を躊躇って黙っているのかと不意に不思議になる。
 どう声をかければいいかなど考えるに値しないことで、普段通りにすればいいだけの話で、何故自分が躊躇しているのかわからなかった。

 「リズ――」

 ここを離れるぞ、と言おうとした、その時。

 「デイドラっ!!!」

 リズではない声が、ルームに響き渡った。
 その声は明白に怒りの感情で染められていた。
 デイドラは嫌な、というよりか天災級の嫌な予感を抱きながら、その声のした方を向く。
 果たして、目に入ったのは、自分に向かってずんずんという音が聞こえそうなほどに猛然と歩いてくるノエルの姿だった。
 本能はその場から逃げることを何度も叫んでいるが、燃えているように幻視する程のノエルの瞳に射抜かれて、手足はびくとも動こうとしない。
 視界の端に見切れているリズの顔も石像のように固まっていた。
 ノエルはそのリズに見向きもせず、デイドラの前に立つと、何も言うとことなく腕を振り上げ――平手を放った。
 パッアアァン、という快音とともにデイドラの顔が横に弾かれる。
 その頬には、威力を物語るように焼印のような手形が浮かび上がっていた。

 「何故勝手にダンジョンに潜った!!自分が闘えるような状態ではないことぐらいわかっていただろう!!」

 ノエルは呆然とする二人に構わず、怒りをあらわにして叫んだ。
 目元は吊り上がっていて、瞳は激情に紅蓮に染まっていた。

 「……………………」
 「答えられぬというのか」

 表情をその
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