第三幕その十
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「これ位なら大丈夫だよ、これまで色々と冒険をしてきたしね」
「それならいいよ」
「じゃあ気をつけて行ってね」
「これからの道も」
「森の奥も」
「そうさせてもらうよ」
先生は鹿さん達に笑顔で応えてでした、そのうえで。
皆と一緒に森の先にさらに進んでいきました、途中お握りをメインにしたお弁当も食べました。そのお弁当を食べてです。
先生はまた立ち上がってでした、また歩きはじめつつです。
皆にです、ふとこんなことを言いました。
「山窩の人がまだいるのかな」
「最近結構お話してる?」
ホワイティが言ってきました。
「あの人達のこと?」
「うん、あの人達がね」
「まだこの辺りにいるかもっていうんだ」
「ひょっとしたらね」
こう言うのでした。
「そうなのかな」
「けれどあの人達ってもう殆どいないんだよね」
こう言ったのはガブガブでした。
「確か」
「うん、日本は第二次世界大戦を境としてかなり変わってね」
先生はガブガブにもお話しました。
「それで山窩の人達も変わってね」
「それでだよね」
「長い間暮らしていた山から降りて」
そして、というのです。
「街や村で暮らす人が増えたんだ」
「そうした人が多くなったんだね」
トートーは前を見ています、その大きな二つのよく動く目で。
「実際に」
「そうだったんだ、けれど殆どで」
「山に残っている人もいるんだね」
「ううん、ひょっとしたら」
ジップはお鼻をくんくんとさせて周りを匂いから偵察しつつ進んでいます、やっぱり犬のお鼻は強力で頼りになります。
「この森にも」
「いるかもって思ったけれど」
「その可能性は?」
「確か奈良の南にも山窩のお話があったね」
先生はここでこのことも思い出しました。
「だとすればまだいる可能性は少なくても」
「それでもだね」
老馬は先生の横にいます、そうしつつ彼も警戒しています。
「いるかも知れない」
「その可能性はかなり少ないけれど」
「否定出来ないんだね」
「あの人達のことはよくわかっていないことも多くて」
それにというのです。
「何処におられるのかもね」
「わかってないんだね」
チーチーも言いました。
「街や村にいる人達とは違って」
「定住していない人達だから」
「住所とかもなんだ」
「ない人がまだいるかもね」
まだ日本にもこうした人がいるというのです、先生は日本のこうしたお話についても勉強をはじめていて知りはじめているのです。
「だからね」
「何か凄いお話ね」
ダブダブはトミーの左横にいます。
「日本にまだそういう人がいるのね」
「ひょっとしたらね」
「それでこの森にもなのね」
「いるのかな」
「そうかもね」
チープサイドの家族は今
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