第三幕その九
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「何かおかしいね」
「おかしいかな」
「何処かおかしい?」
「僕達知っていることを話しているけれど」
「嘘は言ってないよ」
「別にね」
「いや、嘘とか隠してるとかじゃないよ」
先生もこのことは保障します。
「そういうことじゃないんだ」
「じゃあ一体」
「何のことかな」
「いや、日本にいる肉食獣はね」
そうした生きものはというのです。
「大型のものは熊だけだね」
「そうですね、今では」
トミーも先生のその指摘に応えます。
「日本は」
「うん、そうなんだよね」
「日本には大型のネコ科の生物もいませんし」
「いないよ、全くね」
「虎やライオンは」
「豹やジャガーもね」
そうした大陸いいる大型のネコ科の生物はなのです。
「ピューマやオセロットといったものもね」
「いませんよね」
「鰐もいないよ」
水の方を見ればそうだというのです。
「海には鮫がいるけれど」
「それ位ですよね」
「それでどうして森の送の鹿さん達が減ったのか」
「村の人達が入って行ったと考えて、ですね」
「それしかないね」
先生はこう言うのでした。
「やっぱりね」
「そうですよね」
「僕はそう思うけれど」
「僕もそう思います」
トミーも先生に答えました。
「これは」
「そうだね、じゃあもっと先に行こうか」
「そうしますか」
「森のね」
こう二人でお話してでした、次はです。
それで先生は鹿さん達に言いました。
「じゃあもっと先にね」
「進みますね」
「そこでお昼も食べよう」
お弁当をです、実は朝早く起きて朝食を済ませてからずっと何も食べていません。もうすぐお昼なのですが。
「そうしよう」
「はい、わかりました」
トミーも頷いてでした、そのうえで。
先生は鹿さん達にです、微笑んで言いました。
「じゃあ僕達はもっと先に行くよ」
「この森のだね」
「先に行くんだね」
「そうするよ、この辺りの生態系を全て調べるよ」
「ここも結構広いけれど」
「大丈夫なのね」
「うん、これ位ならまだね」
先生は鹿さん達に微笑んで答えました。
「大丈夫だよ」
「だといいけれどね」
「ここも結構大変だけれどね」
「迷う人もいるし」
「道はあるにはあるけれど」
「僕以外の皆がいてくれるから」
王子とトミー、そして動物の皆を見ての言葉です。
「大丈夫だよ」
「ああ、先生は確かにのんびりしていてね」
「うっかりとしたところもあるけれど」
「皆がいればね」
「安心だっていうんだね」
「そうなんだ、皆がいつも助けてくれるからね」
だからだとです、先生も答えます。
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