第十八夜「向日葵」
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代わりに現れたのは、暮れゆく晩秋の紅い空と、荒れ果てた土地の残骸。そして、そこには不釣り合いな…大輪の花をつけた一本の向日葵だった。
― これが…僕だ…。 ―
そう、これが僕だったんだ。
僕は僕の創った幻の向日葵畑に惑わされていたんだ。何ということだ…。
「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ…!」
可笑しい!実に滑稽だ!自分が自分の創ったものに驚いて、その上、何もかも忘れてしまってたなんて!
「さぁ、もう終わりにしよう。」
僕はそう言った声の主を見た瞬間、笑いが止まった。
もう…そこには少年の姿はなく、そこにあったのは…。
「天使…!」
白い衣を纏い、長き銀の髪を垂らした男とも女ともとれない、それは美しい人…いや、天使だった。
「これで…君も安らげる…。」
そう呟くと、天使は一本の向日葵の前に行き、その美しい手で茎を掴んだ。
「や、止めて…止めてくれ!」
しかし、天使は何の躊躇いもなく、その太い茎を折ったのだった…。
そして“彼”と“僕”は…永遠に別れた。
「おやすみ…。」
― 僕は誰なんだろう?僕はどうしてこんなとこに…!? ―
幻影は…死んだんだ…。
もう…何も…
無い…
end...
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