“ぬ”の時間(2016/05/16 一部修正)
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
【視点:樹】
轟の試作型疑似玉璽を持っていたおっさんを撃破した俺達は、轟の試作型疑似玉璽を含むおっさんの所持品を全て没収してから先―――一先ず5階展望回廊へと急いだ。
ちなみに移動過程で律が、轟のおっさんの戦LV等を教えてくれたんだが、それを聞いた出撃組全員が驚いていた。何故なら轟のおっさんは実はロヴロさん子飼いの暗殺者だった上、戦LVは試作型疑似玉璽の能力込みで50前後の小物だったんだ。
試作型疑似玉璽を除いたら、轟のおっさんの戦LVは20以下だったんじゃないか?戦LVだけで考えたら、この場にいる誰よりも弱いということになる。
ってか、よくそんな低LVで試作型疑似玉璽が使えたと思う。玉璽の名が付くパーツが組み込まれたA・Tは、ぶっちゃけ諸刃の剣だからな。
低LVの暴風族が使えば、玉璽に能力に振り回されて自滅するのがオチだ。だからこそ、E組でも地力が低LVの暴風族には正規実用型疑似玉璽を渡していない訳だし。
まぁ、このおっさんの場合、殺し屋としての経験と技術を駆使して試作型疑似玉璽の性能を上手く制御し、俺達とのLV差も埋めようとしたんだろうけど。現に自作の麻酔ガスを利用していたことだしな。
そう考えると、この先現れる他の試作型疑似玉璽持ちも暴風族としての戦LVだけでなく、殺し屋としての経験と技術でLV差を埋めて来るだろうから油断はできないな。
……と、そんなことを考えている内に5階展望回廊に次の敵が現れた様だな。先頭にいる烏間先生がハンドサインで俺達に止まれと指示を出してきた。
いや、現れたというより待ち伏せしていた様だな。回廊の影から相手の姿を覗いてみたが、どう見ても裏の人間だ。なによりA・T――烏間先生とデザインが同じである石の試作型疑似玉璽を履いている。
「……律」
「はい」
俺が小声で律に指示を出すと、律は俺がした様に回廊の影から相手の姿を覗き、念の為に戦LVを測定する。
「……イッキさん。相手の戦LVは88、王クラスです」
「それは暴風族としての戦LVか?」
「はい。恐らく、寝る間も惜しんでA・Tの訓練をしたんでだと思います。よく見ると目の下に隈が……。その上、相手は近接戦闘能力
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ