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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第476話】
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データは打鉄やリヴァイヴ、村雲とかのデータで何とかなりましたし、それに……。 楯無さんの機体データ使えば、簪にとってショックな結果になりそうですしね」
事実、簪は姉である楯無さんに対して劣等感を抱いてるのは間違いない筈、そんな中で機体データを使えば色んな意味で彼女が崩れるかもしれない――そう思うと俺は使う気になれなかった。
現に使わなくても完成したのだ、問題はないだろう。
「……そっかぁ。 ヒルトくん、ありがとうね? ……簪ちゃんの為って思っちゃうと、どうしても手を差し伸べたくなっちゃうのよね、私。 前に君に怒られたばかりなのにね」
眉根を下げて困ったような笑顔を再度向けてきた楯無さんに、俺は――。
「楯無さんが妹想いってのはよくわかりますよ。 ……そういう所、嫌いじゃないです」
「……うん、君にそう言ってもらえると……少し嬉しい、かな」
さっきとは違う笑顔を見せてきた楯無さん、軽く欠伸が出そうになったのか口元を手で覆い――。
「ヒルトくん、そろそろ戻るわね? おやすみなさい」
「おやすみなさい、楯無さん」
手を振って見送ると、俺は軽く喉が渇きを訴えてきたので自販機コーナーへと向かうのだが、その道中――曲がった先に落ちていたカップケーキを発見した。
「……何でこんなところに? 誰かの落とし物……か?」
そう呟きつつ、それを拾うと床が僅かに濡れているのに気付いた。
多少疑問に思うも、俺は落とし物としてそれを巡回中の山田先生に手渡した。
いよいよ明日、大会本番だ――不安はまだあるが、やるからには全力を出さないといけない。
そう思いつつ、俺は自販機コーナーへと再度向かった。
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