プロローグ
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〜???Said〜
目の前に見える燃え盛る家。
そして、その家の前には4つの人影。
ただし、その内2つの人影には翼のようなものがあった。
残る二人は見知った人物。
俺の父親と母親だった。
父親の前にはカラスのような漆黒の羽を10枚持った男が立っている。
そして、母親の前には蝙蝠のような翼を持った男が立っていた。
その四人の声は燃え盛る炎の音で聞こえない。
だが、俺はその目でハッキリと見てしまった。
父親の前に立っている男が大きな光の槍を構えているところを。
母親の前に立つ男がその手に大きな炎の玉を持っているところを。
「……止めろ。止めろ、止めろおおおおおおおぉぉぉぉぉぉっ!」
俺が叫びをあげたのと同時に、父親の胸には光の槍が突き刺さり、母親は炎に包まれていた。
「あ、ああああああぁぁぁぁぁっ!」
バッ!
「ハァッ、ハァー、ハァー。…………また、あの時の夢か」
俺は今まで見ていたのが夢だったことを改めて知る。
「………父さん、母さん」
俺の家族は四年前に火事で死んだことになっている。
だが、俺は父さんと母さんは火事で死んだのではないということを知っている。
二人は俺の目の前で殺された。
その時の俺は何もできなかった。
だが、今は違う。
「…………絶対に二人の仇は俺がとるから。それまで待っててくれ。父さん、母さん」
俺はそう呟くと、汗で濡れたシャツを脱いでシャワーを浴びにいく。
家族である父さんと母さんが死んだ時、俺は本来なら祖父の家に預けられる筈だった。
だが、俺がそれを拒否して故郷であった駆王町で一人暮らしをすることになった。
一人暮らしといっても家は二階建ての一軒家で、母さん達が残してくれた遺産金で何とか生活ができている。
俺は二人を殺した奴等のことを徹底的に調べた。
そして、わかったことは二つの単語だけだった。
その単語は『悪魔』と『堕天使』だ。
最初は俺も信じられなかった。
だが、俺は自分が手に入れた力を見て信じるしかなかった。
「それじゃあ、行ってくる。母さん、父さん」
シャワーを浴びた俺は朝食を食べ、制服に着替えてから学校へ向かった。
俺が通う駆王学園へと。
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