風丸の葛藤
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「宮坂…昨日お前にいつ戻るのか聞かれた時、自分がサッカーに夢中になっていたんだって気づかされたよ」
「えっ…」
俺は学校が終わり、帰宅していると川岸で風丸が陸上部の後輩の宮坂と話しているのを見つけた。
「あれからずっと考えてたんだ、俺はどうしてサッカー部にいるんだろうって」
「もういいじゃないですか!サッカー部は部員も増えたんでしょう!?風丸さんはもう役目を終えましたよ、陸上部に戻ってきてください!」
「戻らなきゃいけないとは思っている。でも…まだ戻れない」
「何を迷ってるんです!?」
「サッカーには陸上とは違う面白さがあるんだ、俺は一流のプレイヤーと戦って自分を強くしたい」
「一流のプレイヤーなら陸上だって!」
「まだまだサッカーには、俺の知らない凄い奴が大勢いるんだよ」
「…陸上はもうどうでもいいみたいだ、風丸さんからそんな言葉を聞くなんて思ってもみませんでしたよ!お願いします、戻って来てください!また一緒に走りましょうよ!どうしてそんなにサッカーに拘るんですか!?」
「…宮坂、明日から全国大会が始まる。試合を見に来てくれないか?サッカーをやる俺を見てくれ、それから陸上部に戻るかどうか話そう」
俺は遠目で見ていると、宮坂はしぶしぶ風丸の提案を受け入れたらしく、足早で風丸の下を去っていった。
「…風丸、すまん聞いてしまった」
俺がそう呟きながら、風丸に近付くと
「気にするな、悪いのは俺だ」
と特に俺が聞いていたのを、驚く様子もなく呟いた。
「俺さ、風丸はもうサッカー部のメンバーのつもりでいたんだけど、そういや助っ人で来てくれてたんだよな」
「円堂や雷藤のメチャクチャな練習と熱さが気に入ってな」
「ははっ、あの時は必死だったからな」
「初めは本当に助っ人のつもりだったけど…気がついたらいつもサッカーのことを考えてて、この感じ、陸上を始めた頃みたいで…なんていうか楽しいんだよ」
「…戻るのか?」
「分からない…陸上の仲間もお前達も、俺には大事な仲間だ。どっちを選んでも、どっちかを裏切るような気がして…」
「俺は風丸が出した答えがベストだと信じてる。後悔だけはしないように納得が行くまでいっぱい悩め!例え陸上を選んだとしても、裏切ったとは思わない、それがお前の道だからな」
最後に風丸は少し笑みを浮かべると、そうさせて貰うよと呟き、その場で風丸と別れた。
───────
「ほんとに風丸さん、どうするのかなぁ…」
「気にしても仕方ないよ、今はとにかく全国一回戦を突破すること!」
マネージャーが、少し不安な気持ちを抑えつつ、選手たちを見ているときだった。
ピリリリリ ピリリリリ
突然、お嬢
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