玉璽の時間・2時間目(2016/05/16 一部修正)
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《レガリア》及び疑似玉璽は揚力や推力を吸収し、自らのエネルギーとすることで能力を発動させるのが基本だ。
吸収できるエネルギーが無い状態で能力を発動させる場合、玉璽及び疑似玉璽自身を高速運動させる必要がある」
「………」
「だが、あんたには轟の試作型疑似玉璽を高速運動させる手段が無い。なんせ、それは腕に装備するタイプだ。腕を振り回した程度で得られるエネルギーは多寡が知れている。
あんたがその試作型疑似玉璽以外にインラインスケート型A・Tを持っていれば、試作型疑似玉璽ごと自分が高速移動することでエネルギーを確保することができただろうけど、あんたはA・Tを持っていない。
つまり、今のあんたが装備している轟の試作型疑似玉璽は変わった形の籠手でしかないって訳だ。揚力や推力の技さえ使わなきゃ、エネルギー切れしたその試作型疑似玉璽は何の脅威にもならない」
このおっさんのミスは初撃を大規模な壁として放ったことにもある。轟の玉璽を使った室内戦の場合、小規模の超臨界流体を多方向に放つのが正解だ。
そうすることで超臨界流体は反響、増幅して何倍もの威力になる。更に過剰攻撃分の風のエネルギーを再吸収すれば、理論上はエンドレスで戦い続けることができるからだ。
まぁ、防衛相に提出した取説にそこまで書いてはいなかったんだけどな。そこまで親切に説明してやる義理も無かったし。
「さて、人数的にもおっさんの方が圧倒的に不利な訳だし、大人しく投降してくんないか。そうすれば痛い目を見なくて済むぜ?」
「クククッ!最近のカタギの中学生ってのは怖いもんだ。プロの殺し屋相手に脅しを掛けて来るんだからな」
「生憎と俺達はカタギとは言い難い中学生でね。で、返答は?」
「プロにはプロの矜持ってもんがあるんだよ、小僧。ガキ相手に投降なんてできるか!」
おっさんはそう告げるや否や、自分が来た道を戻る様に逃亡を図ろうとしたが、そうは問屋が卸さなかった。
「相手が子供とはいえ慢心せず、数の不利を理解した上で撤退行動を取る辺りは流石プロといった所か。しかし、お前は我々を色々と嘗め過ぎだ」
「!!?」
石の正規実用型疑似玉璽を発動させた烏間先生が、水晶振動周波現象でおっさんの動きを止めたんだ。そして―――
「投降する意思が無い相手をそのまま放置しておくとか危険極まりないから、殺さないまでも少しの間気絶して貰うこ
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