玉璽の時間・2時間目(2016/05/16 一部修正)
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試験型玉璽《テストタイプ・レガリア》だったら、時の連打程度で押し返すことなんてできない上、壁の持続時間が長いから色々と厄介だっただろう。
時と壁の攻防は僅か数十秒。壁が消え去る時には纏っていたガスも既に霧散していた。
「まともな訓練指導も受けてないくせに、随分と試作型疑似玉璽の使い方が上手いじゃねぇか。おっさん」
「雇い主の下で使用書を頼りに1ヶ月近く訓練していたからな。そんなことより小僧、何故平然と立っていられる?今の壁には皮膚からでも浸透する俺特製の室内用麻酔ガスを纏わせていた。象すら気絶させる代物なんだぞ?」
「へぇ〜、そりゃ凄いな。けど、残念。俺ってば、毒とか菌、薬の影響を受けない特異体質なんだわ。相手が悪かったな」
「くっ!そんな情報は聞いてなかったが、まぁいい。薬物の類が効かないのなら、純粋な壁の力で押し潰すだ―――ガッ!!?」
おっさんは自作の薬物が効かなかったことで苦虫を噛み潰した様な顔をしたかと思えば、瞬く間ににやけ顔を浮かべながら轟の試作型疑似玉璽で俺を倒す的なことを言ってきた。
しかし、その言葉が最後まで語られることは無かった。それはおっさんが俺に意識を向けている間に烏間先生が横から回り込み、攻撃を仕掛けたからだ。
ってか、俺みたいな特異体質の奴と相対したからって、烏間先生や有希子達もいる状況で俺だけに意識を向けるとか、このおっさんプロ失格なんじゃね?
ジャンルは違えど同じプロの烏間先生からすれば、「どうぞ攻撃して下さい」と言ってる様なもんだろう。見事に顔面への飛び膝蹴りが決まったし。
って、あれ?顔面に飛び膝蹴りが決まって吹き飛んだおっさんが立ち上がった。あんな攻撃喰らったら、普通は衝撃で脳を揺さぶられて、意識を刈り取られてる筈なんだけど?
「危ない危ない。特異体質の小僧に気を取られていたとはいえ、一瞬の内に横から近付かれて攻撃されるとは思わなかった。壁を使って衝撃を減衰させていなきゃ、やられていた所だ」
成程。1つ前のおっさんの発言からカルマの牙から吸収したエネルギーがある程度残っていたことは分かっていたけど、攻撃を受ける直前にその残量エネルギーを使って超臨界流体の壁を作って烏間先生の攻撃を防いだのか。
けど、烏間先生の攻撃を完全に防げなかったことから考えると、残量エネルギーは大したこと無かったみたいだな。俺を押し潰すって言ったのもブラフって所か?取り敢えず―――
「おっさん、前言撤回させてもらうわ。あんた、疑似玉璽の使い方が全くなってない」
「何?」
「いや、だって烏間先生の攻撃を防御する為、カルマの牙から吸収したエネルギーを全部使い切っただろ?轟の|玉璽
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