追跡
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んな顔をしているのか。
「……詳しいことは知らねえが、要は仲間を見捨てておめおめ生き残っちまったてことだろ。ざまぁーねえな」
口を開いたのはローガだった。口端を吊り上げてせせら笑う。
「何でまだ冒険者なんてやってんだよ、てめえ。そのままくたばっちまえば良かったじゃねえか」
「ベートさんっ!!」
レフィーヤがローガの言葉に声をあげた。さすがに言い過ぎだと言わんばかりに、彼女はキッ、とローガを睨んでいた。
ほんと、ローガの奴、弱いものいじめに余念がない。
俺はフィルヴィスさんの方に視線をやる。すると、彼女は静かに笑みを浮かべていた。
「お前の言う通りだ」
あ、これ自虐くるわ
俺は視線を前に戻して手綱を振るう。
ちょうどよく現れたデッドリー・ホーネットを雷で焼いて全滅させる。これくらいなら朝飯前だ。
「話は聞いただろ。どうする、ここてを別れるか? 私はお前達も殺すかもしれないぞ」
「てめーみてえな達観している奴が一番ムカつく」
モンスターを全滅させると、そんな言葉のやり取りが後ろから聞こえてきた。振り替えると、もう用はないとばかりにローガが御者台の奥、つまり俺の方に来ていた。
「ほんと、お前ってはっきり言うのな」
「言ってろ」
御者台の柵にもたれて足を組むローガ。まぁ、さっきの言葉は分かる。
噂はどうであれ、勝手に俺達が死ぬ前提で話をしないでほしい。そこまで弱いつもりはない。
「で? こっちで合ってるんだろうな」
「ああ。俺達が向かってるのは北の食料庫だ。それに、この道のりで灰やらドロップアイテムやらがやたらと散乱しているが……まぁ、アイズだろうな」
「……何でてめえがアイズを名前で呼んでんだよ」
「お、何だ。気に入らないのか? 生憎だが、本人からの許可はとっている」
「……そうかよ」
フンッと鼻を鳴らすローガは何か気に入らないかのように機嫌が悪い。……まぁ、多分だが俺とアイズの関係が気になるとかそんなとこだろう。というか、ロキ様からそういう話は聞いてるしな
「聞いたぞ? お前、アイズにメロメロなんだってな」
「んなっ!? 誰からきいたっ!!」
「ん? ロキ様」
「……あいつ……変なこと言いやがって……!!」
突然動揺したかと思えば、今度は己の主神に怒りを向けるローガ。つまり、図星ということでよろしいのだろうか
「怒るな怒るな。お前は口の悪い弱者いじめの大好きな狼だと思ってたが、そういうとこもあんだな。いいじゃないか、メロメロで」
「んなこと誰もいってねえよっ!!」
「ちなみに俺も好きなひとがいるぜっ!」
「んなこと聞いてねぇ!」
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