追跡
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った狼人とエルフの背中を追って、俺達は少し足早に出発した。
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「きょ、今日はいい天気ですねー?」
「十八階層に天候も糞もあるか」
「……」
「あー……まぁ、地面の下だしね、ここ」
ぎこちない笑みを浮かべて無理矢理話題を振ろうとするレフィーヤだったが、ローガはこれを一蹴し、フィルヴィスは相変わらずの無言。
ぎすぎすとした空気は変わらない。レフィーヤはかなり居心地が悪そうだ。
かく言う俺もこの現状はちょっと不味いかもしれないとか思っている。
だが、ローガとはあんまり仲良くなりたいとは思わないし、フィルヴィスさんに話しかけようとも無言でそのうち俺のハートがブレイクされそうだ。レフィーヤに話しかけるのがもっともいいのかもしれないが、多分それでは問題の解決にはならない。
是非ともレフィーヤにはフィルヴィスさんと仲良くなってほしいものだ。エルフは同族との仲間意識は強いと聞くし、狼人やヒューマンよりもうまくやれるはずだ。
今もなお、先程の戦闘のことで会話しようとするレフィーヤの姿をチラリと覗き見る。
ミノタウロスがどうとか、魔法剣士がどうとかめげずに話しかけるが、フィルヴィスさんは変わらずに無言を貫き通している。
本人、結構六年前のことで神経質になっているのだろうか。
……いや、それよりもその後の噂が原因だったりするんだろうな。『死妖精』という名をつけられたその理由。
「うるせえっての。耳障りだ」
うざったそうにローガが口を開き、そして鼻で笑う。
「使えねーなら捨てるだけでいいだろう。仲良しこよしになる必要がどこにある」
ほんと、なんでこう言うこと言っちゃうのかなこいつは。一理あるかもしれんが、連携をとる際に、支障が出るのは困るだろうに。
レフィーヤがあれでも、これがこうなら絶対に今の関係は改善しないぞ
「私も貴様と馴れ合うつもりは毛頭ない。下賤な狼人め」
「おー喋れるじゃねえか、陰険エルフ。その調子でモンスター相手に魔法でも歌ってろ」
まさに売り言葉に買い言葉。ローガもローガだがしかし、フィルヴィスさんもフィルヴィスさんだ。
あ、ほらレフィーヤが疲れた顔してるよ。誰かー気づいてあげてー
「はぁ、喧嘩するなら地上に出てからやってくれよ。うるさいから」
「事実を言ったまでだろうが」
「……フンッ」
時間の無駄だとばかりにフィルヴィスさんは森の先、十九階層に繋がる階層中央へ足を向ける。
「おい、間抜け。アイズの居場所もわかってねえだろ、先に街へ行くぞ」
情報収集が先だ、と呆れながらローガがフィルヴィスさんの襟首をつかも
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