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BloodTeaHOUSE
試作の仕様
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どんな効能があるのか知らないけど、すすんで飲みたくない。

「その薬は何に使うんでっか?」
「見たい夢が見られる薬です」
「へえ‥‥‥それは、なんだか楽しそうな薬だね」
「お前は買うなよ!絶っ対、変なことに使うだろっ!」

裏子は、ニヤッとする飛白に向かって、クナイを構えて威嚇する。
さすがにこの人がいる限り、裏子も乱暴なことはしないだろうけど‥‥‥

それよりも、好きな夢を見られるって言葉につられて、じっと薬を見てしまう。
例えばだけど、もう会えない人にでも、好きな時に夢の中で会える。
まるで魔法の薬のようだけど‥‥‥さすがにそれは都合が良すぎるよね。

その‥‥なんというか、色から想像する、怪しいお薬の、危ない副作用が怖いし‥‥

その人は革包から薬草やお菓子といった普通なものから、不思議なものまで
んごーにせがまれるままに、取り出してゆく。
その人の革包からは思ったよりもずっとたくさんの物が出てきて、
それだけでもすごく面白いのに、初めて聞く動物の名前や国の名前が私をわくわくさせる。

おとぎ話のような、その人の話に惹きつけられるのであって、
珍しければなんでもいいような、んごーとは一緒にしないで欲しい。

でも、彼をウソツキだとは思えない、不思議なものを見せてもらったのも、本当の話。

そのドレスは裾がゆれると水のような波紋を見せる美しいもので、
触ってみても、どんなもので出来ている布なのか、さっぱりわからない特別なものだった。

飛白はなんだかエッチなデザインのメイド服を見せて、裏子をからかうし、
裏子は珍しい名前の食べ物を見ると、味見したそうにしてたしで、
みんな彼の商品を見て楽しんだ。

けっきょく、私はなんとなく怖くて、お薬もアルバムも買わなかったけど、
んごーは自分の商品と物々交換をして、いくつかの胡散臭いものを手に入れた。
よりによってなんでそれ?って物を選ぶあたりが、んごーらしいと思う。

お店の場所も、聞いたこともない国の聞いたこともない場所だったから、
んごーが手に入れたものは、本当に本物の不思議なものかも知れない。

「名乗るのを忘れていました。わたしの名前はティエクルアドバントゥールー=ラルス。
 長くて覚えにくいので、ティエと呼んでください」

お互いに自己紹介も忘れて、商品やおしゃべりに夢中になっていたから、
彼、ティエが店を出ようかって頃になって、ようやくの自己紹介。

「僕は飛白。あまりオーナーを喜ばせるのもどうかと思うが、楽しかったよ」
「ティエか、うん、覚えたぞ。アタシは裏子だよ」
「ワイはんごーや。絶対にまたワイの店に来てくれ!絶対やで!」
「すごく楽しかったです、ティエ。あ、わたしは香澄っていいます‥‥
 名
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