五匹目《黒い怪物》
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。その目からは涙が絶え間なく流れ、顔も悲しみに歪んだ。
「お兄ちゃん……隆文お兄ちゃん……ごめ゛ん゛なざい゛……嫌だぁぁ……死んじゃ嫌だよぉぉ……うっ、ひぐっ……うっ、うっ……うわぁぁぁぁ…………」
一方その頃、隆文の世界では何故か大変な事になっていた。隆文が時の園庭に来て一週間以上が経過し、その世界のG達は総出で隆文を探し始めていた。しかし隆文は見つからない。そうなれば当然探す数を増やす。よって海鳴市、そこではこの世の終わりが近いのではと言うような悍ましい光景が広がっている。昼夜と所構わずGが徘徊し、人の目に入っては駆除される光景が広がっているのだ。だがいくら駆除しようとされようとG達は一歩も引かない。命をかけて隆文を探している。
そしてとある海岸。そこでひょんな事から高町なのはとフェイト・テスタロッサは戦っていた。互いのジュエルシードをかけ、互いのデバイスをぶつけ合い。とうとう決着はなのはの勝利で終わる。しかし戦いに負けたフェイトを見限ったプレシアの手でフェイトの頭上には紫色の落雷が降り注いだのだ。フェイトは目を瞑る。
「え? ……え!? 」
「フフン……軽いもんやな? 誰かは知らんがこれが攻撃のつもりなんか? ははっ! とんだお笑いぐさやで! ドッ……セイヤァァァアアアアアア!!! 」
フェイトは落雷を受けなかった。何故ならその落雷は突然現れた得体の知れない怪物に防がれたからだ。その怪物とは全身が黒光りし、ツルッツルの体。そして髪もなく、頭からは細い触角が2本出ており、形、姿は人間。だがそのガタイは人間のそれとは呼べない。身長は3メートル近くあり、全身筋肉で武装しているかのようなゴリゴリのマッチョ。フェイトは助けてくれた事を尻目に怯えていた。するとその時だ、安全な場所へと抱えられ海岸に降ろされたフェイトは声をかけられる。
「貴方がフェイトさんね? 」
「え? はい、そうです。あの……貴方は? 」
「私? 私は隆文の母親よ? ちょっと聞くけど……うちの息子知らないかしら? 」
「ひっ!? あ……ああ…………」
黒い怪物の前に立ち、腕を組みながら殺気とも呼べるような視線をフェイトに向けたのは私服にエプロンをした、隆文の母親その人であった。
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