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魔法少女リリカルなのは!?「Gの帝王」
五匹目《黒い怪物》
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トを掴み涙目でお願いし続けた。プレシアも何故こんな子にここまでするのかと疑問に思い、逆に少年に興味をそそられる。

「分かったわ。その子は私が見てあげる。だからさっさとジュエルシードを集めて来なさい! 」

「あ……はい! ありがとうございます、母さん! 」

プレシアにそう言われたフェイトは満面の笑みになり急いでジュエルシードを探しに出かけた。残されたのは花と息のない隆文。プレシアは花を睨みつけた。そのあまりの怖さに花は震え上がる。

「ほら、何をしているの? さっさとその子を連れて来なさい! 」

「え? あ、はい! 」

花は隆文を抱えプレシアの後についていく。そして手術台のような物がある部屋へと連れて行かれ、そこに隆文を寝かせるとプレシアは空中にモニターを開き作業を始めた。しかししばらくしてプレシアの顔が引きつり始め、花の方へと視線を向けた。

「貴方、これは何があってこうなったの? 」

「分かんない……です。隆文お兄ちゃんにキスをしたら……隆文お兄ちゃんが…………」
「口を開きなさい」

「え? 」
「口を開けろと言っているのよ? 」

「は、はい!? あ〜」

プレシアは花の口を開かせるとそこから粘液を採取し、それを調べ始める。だがそれを調べたプレシアは目を見開き、花を見ながら声を震わせた。

「貴方は人間なの? 」

「え? 」
「貴方の口から検出されたのは即死性の高い猛毒よ? そこの男の子の口から体内にかけても検出されたわ。しかもこの毒、沢山の菌の集合体みたいな物だから解毒とかそういう類の物じゃない。貴方は一体何者なのかしら? 」

「……その……元はゴキブリです。昨日どういう訳か人間になりました」

花は言葉を詰まらせながらも素直に答えた。プレシアはそれを聞き、驚いていたが突然モニターを閉じると。その場に座り込んだ花を立たせその目を見て話し始める。だがそれは今まで見ていたプレシアの姿ではなかった。まるで優しい母親のような温かな雰囲気である。

「ここにはどれだけいても構わないわ。気がすむまでその子の側にいてあげなさい」

「隆文……お兄ちゃんは? 」

「……ごめんなさい。この子はもう助からないの」
「え…………」

「貴方の持ってる毒……正直言ってかなり危険な物よ。だから無闇矢鱈に誰かとキスや間接的にでもやめた方がいいわ。もしも誰かの体内に貴方の毒が少しでも入り込んだら……その人、いえ。その生物は100%助からない。この子のように死ぬ。それだけは覚えておきなさい」

「あ……隆文……お兄ちゃん……私が……殺した」

花はプレシアがその部屋を出て行った後、1人フラフラと隆文の側へと座る。そして隆文の頬に手を添えながら呆然と冷たくなった隆文を見ている
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