五匹目《黒い怪物》
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
。しかしそれはすぐに分かる事になる。それは花が隆文から顔を離してすぐの事だった。隆文は突然顔を青くし痙攣し始めると、呼吸もまともにできないような状態になりだした。さらには白目を剥き、口から泡まで噴き出している。花は唖然としてしまい、そんな隆文を見ながら固まってしまった。何が起こったのか。人間になった自分は隆文にキスをしただけ。にも関わらず隆文は今、花の前で死にかけているのだ。自分は隆文に何をしてしまったのか。花は目から雫を流し、必死に頭を動かす。
「あっ!? あぶっ!? うっ!? ごほっ!? あ……うっ!? おえっ!? う……あ…………」
「隆文お兄ちゃん? ……お兄ちゃん!? 嫌!? 誰か!? 誰かぁぁぁああああああああ!! いやぁぁあああああああああああああ」
隆文はこの時点で心肺停止。花はパニックになる。しかし辺りには人をはいない。こんな時に限って昼間だというのに公園は子供1人いなかった。だが、花には何もできなかった。隆文がこんな事になってしまった原因も分からなければ隆文を救い出す知識も花にはない。何故なら花はつい昨日までただのゴキブリだったのだから。
「隆文お兄ちゃん!? 息して!? 死んじゃ嫌だぁ……」
「隆文!? 」
「え? ……お前……金髪…………」
その現場にたまたま駆けつけたのはフェイトだ。泣きじゃくる女の子の横に倒れているのが隆文だと分かった瞬間、フェイトは隆文に駆け寄りその状態を見る。しかし現段階で隆文にもう息はない。
「隆文? 嘘……どうして……ギリっ……貴方! 隆文に一体何があったの!? 」
「分かんなぃ……」
「ちゃんと答えて!! 」
「分かんないよ!? 分かんない分かんない! 分かんなぃ……もん…………」
フェイトは花に掴みかかり怒鳴り散らした。普段の彼女からではあまり見られない姿だろう。しかし隆文が死んでいるとなれば動揺し、感情をむき出しにするのは仕方のない事だ。そしてどうしたらいいか分からないフェイトは隆文の状態が普通の状態じゃないと判断すると、隆文を抱え、一緒にいた花も一緒にある場所へと転移した。
「フェイト、どうして戻って来たの? ちゃんと言われた物は見つけ出せたのかしら? 」
「お願いします! 隆文を助けて下さい! ジュエルシードならちゃんと探しますから……お願い母さん!! 」
「そんな子どうでもいいわ。だから早く探して来なさい! ……っ!? 」
「お゛願ぃ……します…………」
フェイトが隆文達を連れて転移したのは時の園庭。フェイトの母親のいる場所だ。フェイトは母親の指示で青い宝石、ジュエルシードを探している。そして母親であるプレシアにフェイトは頭を下げていた。最初は突っぱねられたフェイトだったが、どこかに行こうとするプレシアのスカー
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ