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転生とらぶる
マブラヴ
1024話
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しかも森が存在する自然公園であり、ハイエルフ、ダークエルフに限らずエルフ族であれば暮らしやすい環境となっていた。

「全く、父さんは少し目を離すとこれなんだから……」
「いや、テュカ。これには訳がだね」
「言い訳は後で聞きます。全く、母さんも何だってこんな父さんと……」
「痛たたたたっ、ちょ、テュカ! テュカ! 耳、耳を引っ張るのは止めてくれ!」

 ホドリューの耳を引っ張って去って行くテュカという親子の背を、思わず安堵して見送る。
 別に話し掛けても良かったのだが、そうすれば間違いなく面倒な出来事に巻き込まれていただろう。それを思えば、俺に気が付かなかった方が助かったとすら言えた。

「え……ええっと、アクセル? 今のは……」

 らしくもなく言葉に詰まっている様子の崇継に、小さく肩を竦めて口を開く。

「ま、見ての通りホワイトスターにいるエルフ族だ。特に今のはハイエルフとダークエルフの両方を纏めているホドリューって男だな」
「……あの方が、ですか?」

 女を口説こうとして、そこを娘に邪魔され、耳を引っ張られながら去って行くホドリューに、その娘のテュカ。これだけを見れば、確かに不安に思ってもしょうがない。

「まぁ、ああ見えてやる時はやる男だからな。何だかんだで、ダークエルフの方もしっかりと纏めているよ」

 確かに軽い性格のホドリューだが、実際には極めて高い統率力を持っている。
 その辺に関しては、ダークエルフをも纏め上げているのを見れば明らかだろう。

「アクセル代表、これは気が付きませんで」

 俺の言葉で気が付いたのか、その場にいたエルフ族の多くが小さく頭を下げてくる。
 跪かないだけ、大分前よりもマシになった。

「ああ、今日はちょっとこいつらの案内でな。構わないか?」
「ええ、アクセル代表のお知り合いの方であれば、門を閉ざす事などありませんよ」

 代表としてダークエルフの男がそう告げ、俺達は暫くエルフ族と共に過ごすのだった。
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