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スレンダーマン?がダンジョンに潜るのは間違っているだろうか
第五話
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力のある勢力だからね。幸いにも今までそんなことは起こっていないよ。」
「まあとにかく見てみるとしよう。闘士とモンスターの駆け引きはなかなかに刺激的で見所があるものだ。」
再び歩き始める私達。もうそろそろ入場できるかといううときに、私の耳は祭りの喧騒にふさわしくない声を耳に捕らえる。
その声はかなり小さい、しかしだんだんと大きくなっているような・・・・・・
「──モンスターだぁああああああああああああっ!?」
闘技場方面の通路の奥、石畳を大きく震わせながらその怪物は姿を現す。
純白の毛並みを持つこの間のミノタウロス並みに大きいサルのような怪物、そんなモンスターが荒々しく突っ込んできていた。
しかしそのモンスターは私達を素通りし、ある一方へ向けて猛突進していく。
どうやら小さな二つの人影を追っているようだ。
突然の事態に凍りつく広場、しかし各々が何が起きたかを理解すると一瞬でパニックに包まれた。
それと同時に先ほどサルの怪物が出てきた通路からさらにモンスターが出現する。それがパニックに更に拍車を掛けた。
その様子を呆けてみていたのもつかの間、私とヒルコ様のすぐそばに何か”が落ちてきて私達を吹き飛ばす。
「ヒルコ様っ!大丈夫ですか!?」
周囲を見回すと、倒れているヒルコ様とヒルコ様に手を伸ばす豚面の怪物が見える。
その様子が目に入った瞬間、私は怪物の後ろに転移していた。そのまま触手に持った鉈や手斧を頭に叩きつける。
だがしかし、日用刃物の刀身は戦闘という酷使に耐えられなかったようで、とうとう砕けてしまった。このモンスター、サイズに伴い骨格も強靭なようである。
さすがに衝撃を感じたのか、怪物は醜悪な面をこちらに向ける。中々におぞましい面構えが敵意のこもった目でこちらを見つめ、妨害者を排除せんと片手に持った街灯を振り上げる。
すかさず私は倒れているヒルコ様の横に転移し、そのまま抱き上げ走り出す。私のいた場所には街灯が振り下ろされ、石畳が無残にも目の荒い砂利へと成り下がっていた。記憶が正しければ、あの怪物、オークは今私がもぐっている階層よりかなり下で出てくるもので、立ち向かっても蹂躙されるのが目に浮かぶ。逃げるのが最善策であろう。
メインストリートへ向けて走り出す私を、獲物をしとめそこなったことに気がついたオークが追いかける。
半ば絶望的な逃走劇の幕が切って落とされた。
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