三十三話 始まりのお告げ(チャイム)
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始まりのお告げ、学校のチャイム、ベルが鳴った。
生徒はディスクに座り、先生の号令を待っていた。
騒がしかった教室がだんだんと静まり帰っていく。
意外と緊張している。
少し緊張する中、担任の先生と廊下を歩いていた。
女性の若い先生だ。少しおしとやかでやさしいオーラをまとっているような人。
平林由紀、というらしい。さっき名簿を見たが、どこでもいそうな名前だ。
すぐに平林先生がコツコツとヒールを鳴らして教室に入っていった。
「おはようございます。今日は昨日伝えたとおり転校生が来ています。拍手で迎えてください」
歓声とともに拍手が沸き立った。
「広翔クン、入って」
すこし戸惑いをしながらタッタと入っていった。
拍手がとても大きくなる。
視線が自分に集まっているのを肌で感じた。
とともに広翔もクラスメイトの顔もザット確認した。
硬い教団の上に立つ。
「じゃあ自己紹介をお願いね。」
先生にホワイトマーカーを渡された。名前を書けということだ。
美咲広翔
素直に大きく、はっきりと書いた。
やはり緊張している。
「名前は美咲広翔といいます。えーと、運動することが得意です。よろしくお願いします。」
特に好きなものがなかったので楽観的にそう言った。
つまらない自己紹介だっただろうが、さっきよりも大きい拍手がわいた。
なにか初めての感覚に自分で驚いていた。
緊張もしていたが、その変な感情が心の中で渦巻いていた。
「あそこの席に座って。」
と平林先生が後ろのほうの席に指をさした。
女の子の隣の席だった。ぽっかりと底の席が空いていた。
えんりょ気味に席まで歩いていく。
やはり周囲の視線が厚い。
HRが終わった。
[ねえ、きみどこからきたの?」
HRが終わった途端目を輝かせながら聞いてきた。
フツーの女の子だった。
また、話しかけたとたんにクラスの人たちの視線が寄る。
「南のほうの町から」
少し硬い口調で言った。
自分がどこから来たのは言えない。ドンピシャの質問をされてしまった。
「えーじゃあ、伊豆のほうから?」
それしかないという表情をしていった。
「ま、まーね」
「伊豆かぁ〜。あそこ海きれいだし温泉あっていいよね。」
いたいけな言葉を出されている。
「きみはずっとここにいたの?」
話をそらしすために、あいてに振る。
「違うよ。一年前に北海道から来たんだ〜」
耀げな口調でそう言った。
「へ〜。北海道ってどこらへん?」
「?北海道だよ、北海道。」
当たり前のこと。
「北海道?きいたことはあるけど・・・」
「えー北海道しらないの?日本の一番北にあるところだよ。」
不思議そうな笑みを浮かべてそう言った。
「へ
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