87章 イノセント・ガール (innocent girl)
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87章 イノセント・ガール (innocent girl)
7月12日、日曜日。青空の、昼には31度の猛暑である。
午後の3時過ぎ。渋谷駅近くのカフェに、結成したばかりの、
ハッピー・クインテットのメンバーが集まっている。
リーダーでギターの沢田誠二、ヴォーカルの川口利奈、キーボードの木村奏咲、
ドラムの浦和良樹、ベースの吉田健太の5人である。
「誠ちゃんは、中学生のころから、ずーっと、ジャズギターに熱中していたんでしょう。
早瀬田のミュージック・ファン・クラブ(MFC)に入って、
よし、バンンド結成して、ポップスをやろう!って思ったのは、なぜなのかしら?うふふっ」
利奈は、誠二の鼻筋の通った端正な顔をぼんやりと見ながら、そういいながら、微笑む。
「あっはは。利奈ちゃんの質問は鋭いですね。
うーん。やっぱり、最近は、オリジナルかなあ。オリジナル以外のことをしても、
おもしろくない気がするんだよね。
ジャズって、ジャムセッションとかで、誰もが知っているような、
『A列車で行こう』とかのスタンダードな曲を、集まったみんなで演奏するんだけどね。
そこで、各自のアドリブの演奏が、ジャズの醍醐味だったりするんだけどね。
白熱のおれのギターソロとかでね!あっはは。
まあ、そんなジャズを継続して、オリジナルをやっていくのも、おれの理想なんだけど。
ロックやポップスで、オリジナルやるほうが、楽しいだろうって、思ったんですよ、最近・・・」
「そうなんだ。わたしも、やっぱり、オリジナルがやりたいわ!」
利奈はそういった。
「おれも、オリジナルがいいと思うよ。楽しく青春を燃焼させたいじゃん。あっはは」
ドラムの浦和良樹はそういうと、わらった。
「おれも、バンドやって、熱中っできるって言ったら、オリジナル以外は、考えられないな」
ベースの吉田健太がそういった。
「ええと、まあ、オリジナルでやって行こうってことで、おれは、曲を作って来たんですよ。
あっはは」
沢田誠二はそういって、みんなに、歌詞と楽譜がコピーされたA4の紙を配った。
「おしゃれな、アート性の高い音楽を目指す、バンドにふさわしい歌にしなければと、
おれはけっこう苦心したんだけど、どうかなぁ、みなさん。あっはは」
そういって、わらって、誠二はちょっと頭をかいた。
メンバーのみんなは、「最高にいいじゃないいですか!」
「バンドにぴったりですよ!」とかいって、誠二の歌を絶賛しいた。
「誠二さん、ひょっとしたら、この歌詞の中の女の子が、
ジャズからロックに転向するきっかけになっていいるんじゃないですか?!
ちょっと、せつ
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