第37話 響き渡る静寂の音
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は片手で背中を押さえたまま
もう片方に持つ銃をホルスターに入れた。
「‥‥‥‥‥‥‥‥」
俺はホークアイの顔を見たまま
しばらく呆然としていた。
「‥‥‥‥ん、どうした?」
その一言で俺はすぐに我に返った。
そして、何か言われる前に顔を逸らした。
「‥‥‥‥俺の登場のカッコ良さに痺れたか?」
「バッ、そんなわけあるかッ!!」
ホークアイの淡々としたボケに
俺は顔を赤くしてツッコんだ。
でも、どうして俺はあの時、しばらく
コイツの顔から目を離せなかったのだろうか。
その理由を考えていると、恥ずかしくなってきたので
俺はとりあえず、今はそのことについて考えるのをやめた。
「‥‥‥‥ヘッ、それもそうだな。
じゃあ、あとは頼むぜ、ジェーン」
俺は大きく息を吸って呼吸を整えた。
おそらく、これが最後のチャンスだ。
最後まで俺の身体はもってくれるだろうか。
しかし、それでもやらなければならない。
『あぁ‥‥‥任せろ』
そう心の中でつぶやいた。
キィィィィィィィィィィン!!
俺は超音波を発した。
たった数十秒だけ声を出すことが
こんなにも苦しいなんて。
血を口から垂れ流しながらも
俺は必死に声を出し続けた。
ヴヴッ‥‥‥
そして、ついに俺は見つけ出した。
固有振動数になった際に分かる共鳴音が
俺の耳に僅かにだが聞こえたのだ。
「う‥‥‥‥‥‥‥グハッ!」
しかし、そろそろ本当に限界が来ているようだ。
俺は血を吐き出して、力なく岩壁にもたれ掛かった。
激痛と息苦しさに、また気を失いそうだった。
「ゲホッ!!‥‥‥‥ハァ‥‥‥‥ハァ‥‥‥‥」
もう、普通に声を出すことさえ出来そうになかった。
「ジェーン!大丈夫かッ!?」
ホークアイは俺に必死に声をかけた。
それのおかげで、俺はギリギリ意識を保てていた。
「ギィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッ!!!」
"鎧虫"が鳴き声を上げながら立ち上がった。
身体を支える力のバランスがようやく分かったようだ。
"鎧虫"は機械的な目で二人の姿を捕捉した。
「ギィィィィィィィィィィッッ!!」
グオッ!!
"鎧虫"は再び鋭い脚を振り上げた。
ホークアイは銃を取り出そうとしたが、すぐに諦めた。
先程、弾倉の弾を撃ち尽くしてからもう一発撃ったことで
ようやく破壊できた物が、今さら彼が数発撃ったところで
どうにもならない事を彼は身を以て知っていたし
そもそも、正面からでは"増殖器官"を狙えないのだ。
『このままじゃ、俺は避けれてもジェーンに当たっちまう!
だが、俺のこの怪我じゃジェーンを運ぶことも出来ない!!』
ど
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