一方その頃
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、そう言えば、と今の今まで忘れていた人物がいないことに気づいた一同。皆が辺りを見渡すその中で一人、パディは真っ青な顔をして汗を垂れ流す。
「おや? パディ、汗がすごいよ」
「え、ええ。少し紅茶を飲み過ぎたようです」
「無理すんなよ? そうだ、俺が水でも取りに……」
「だ、大丈夫ですよヒル。拭けば収まりますから」
ポケットにしまっていたハンカチを額に押し当てるパディ。だが、汗は拭われるどころか、その量を増していく。
「そいうえば、もう昼っすけど、今日は何を作るんすか?」
「え、ええ。その事なんですがーー」
言葉は吃り、視線はあちこちを行ったり来たり。どう見ても普通の反応ではなく、普段のパディからは想像もつかないような様子に一同は首を傾げる。
そして、その時がきた
「皆、腕によりをかけて作ったから特別に食べていいわよ!!」
「ーーリリアさんが作ってくれました……」
ぐったりと項垂れるパディ。その言葉に絶望する団員(男達)。
リリアが手にもって現れたのはショッキングピンクの色をした何か。
「おいしいカレーが出来たわよ」
それがカレーなのか!?
「おい、パディ! 何で止めなかったんだ!?」
「……間に合いませんでした……ポットを引いたときには、もう……」
「……」ガクブルガクブルガクブルガクブル
「デルガァ!? しっかりするっす! 傷は浅いっすよぉ!?」
「……あぁ、この僕の美貌が永遠に失われることをお許しください…」
カオスと化したリビングに現れたリリアは、その様子を見て首を傾げた。そして、一人この場に足りないことに気がついた。
「そう言えばスウィードはどうしたの? 折角人数分作ったのだけれど」
その言葉に反応したのは、アルドアだった。
「俺っち、スウィード呼んでくるっす!! 皆は先に食べといていいっすよ!?」
「あ、てめっ!! 逃げる気かぁ!!」
「その役目、この僕にこそ相応しい!!」
「いえ、ここは執事である僕が!」
「貴様らぁ!! 年上に譲らんかぁぁぁ!!」
「「「「デルガがしゃべったぁ!?」」」」
一気にリビングから玄関へと駆け出していく一同。その顔には鬼気迫るものがあった。押して押されて、我先にと進んだその先の玄関
不意にガチャリ、と開かれた。
「お昼食べに帰ってきましたぁ〜」
「「「「「ノオォオオオオオオオオオオ!?!?!?」」」」」
神は死んだ(死んでないよっ!)
その後、リリアを除く団員全員が床に伏せたという。
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