一方その頃
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「暇っすねー」
「……」コクリ
昼前にホームから出ていった己の主神と団長、副団長。
後に残された面々は戻ってくるまで自由にしていてよしと言われているのだが、見ての通り暇を持て余していた。
リビングのソファーに寝転がってだらける小さい体躯ぎ特徴の小人族であるアルドアを手元に置いた酒をチビチビ煽りながら眺めるデルガ。
「……変わったなぁ……」ボソリ
「ん? デルガ、何か言ったっすか?」
「……」ブンブン
首を横に振るデルガ。顔の大半を覆う毛が一緒になって揺れた。
アルドアは「そうっすか?」と首を傾げたが、直ぐに興味をなくしたようにぐでー、とだらける。
「アルドアさん、だらしないですよ」
そこへ入ってきたのは執事服に身を包む一人の青年、パディだ。その手にはトレイに乗せたティーセットが伺えた。
一応三人を除いた人数分が用意されているのだが、デルガが酒を飲んでいるのを見ると、自身の分を入れて口をつけた。
「パディ、俺っちのも頼むっすよ」
「はい、畏まりました」
よいしょ、と勢いをつけて起き上がったアルドアにパディは手際よくアルドア用のカップに紅茶を注ぐ。
「パディのいれてくれるお茶は、うまいっすからね〜」
「ありがとうございます」
デルガも飲むっすよ、と正面に座るデルガを誘うが、酒があるからいいとばかりに軽く手に持った酒を掲げた。己がこのあと土産にと買うことになる神酒である。
「相変わらずの飲んだくれっすね、デルガは。部屋にもまだまだある見たいっすしね」
「僕はあまり飲まないので分かりませんが……やはり、他のものと違うんですか? その神酒は」
静かにカップをテーブルに置いたパディの問いに、デルガ一度だけ首を縦に動かした。
ほんと無口ですね、とパディは心の中で呟いた。
ほへぇ〜と顔を緩ませて紅茶を飲むアルドアに、その様子を見て満足そうに自身も紅茶を飲むパディ。そして、そんな二人を交互に見て酒を煽るデルガ。
無言の続く静かな一時が流れる。
「あ〜、筋トレもいいっすけど、こういうのも和むっすね〜」
「ですね」
「……」コクリ
おかわりあるっすか? というアルドアのカップにパディがポットの紅茶を注ぐと紅茶のいい香りが辺りに漂った。
そんな香りに誘われたかのように、一人の妖精がこの場に姿を現した。もちろん、光るというおまけ付きで
「う〜ん、この僕に相応しい香り……」
「お〜、エイモンドも飲むっすか? パディの入れた紅茶」
「フッ、そうだね。ティータイムと洒落込もうじゃないか」
失礼するよ、とデルガの隣、パディの正面に陣取ったのは白地に金の
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