1期/ケイ編
K11 グループデート
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「だったら翼さん! デートしましょっ」
響のその一言が全ての発端だった。
とある週末。ケイはバイクを走らせ、街一番のショッピングモールへ向かっていた。
後部座席に未来を乗せ、サイドカーには響が乗っている。
本来ならサイドカーの免許は取れないケイだが、装者活動のため特別に免許を貰った。ちなみにこの特別免許は翼も持っているらしい。
――響が「デートしよう」と言い出した時は正直、未来との二人きりのシチュエーションを妄想してしまったが、それが単なる、装者3人+未来との外出だと知り、ケイのテンションは裏で実は落ちていたりする。
(少し時間押してるな)
「二人ともっ。少し飛ばすから、しっかり掴まってろよ」
「はいはい」
「は、はいですっ」
慣れた義妹の返事と、初サイドカー乗車の響のビビリ声。
ケイはヘルメットの下で口の端を上げ、アクセルを捻った。
「遅いわよ!」
待ち合わせ場所である自然公園の桟橋にて、ケイたちはようやく翼と合流した。
「いやそれが。二人を乗せて時間通りに来たはいいけど、休日だからか駐輪場がいっぱいで。ここに来るまで遠いの何の。走ってたら遅れた。つーわけで、すまん。にしても……」
翼はむくれた顔もそのままにケイを見上げた。続きは言わないほうがよさそう――
「すっごく楽しみにしてた人みたい」
響がまさにケイと同じ感想を述べたことで、さらなる翼の態度悪化を招いたのだが。
まずは映画タイム。
響と未来のチョイスで闘病系純愛ものの映画を観た。設定に無理があるな、と冷めた目で観ていたケイとは対照的に、女子3人は見事に泣かされていた。
次はショッピング。
とかく女子の買い物は長いとよく聞くが、意見を求められるとは聞いてなかった。
「どうかしら、兄さん」
パステルカラーの控えめアンサンブル。慎ましい未来にぴったりなデザインだと思うが、どう表現すればいいか分からないケイ。
「あー……いいんじゃないか?」
「真面目に見てよお」
「勘弁してくれ……」
そして、これだけ粒揃いの女子がいれば、試着時はちょっとしたファッションショーのようだった。
見ていたケイは飽きなかったが、翼に対し、指摘したいことが一つだけあったので、今度は素直に言った。
「ノリノリでポージングしてんじゃん」
ぽかっ
「何も殴らなくても……」
「次! 行くわよ!」
「「はいぃ!」」
「俺の味方が軒並みいねえ〜……」
スイーツタイムではソフトクリームをチョイス。未来がストロベリー、響が抹茶、翼はバニラ。ケイはオレンジ味である。
「ねー
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ