第150話 謀臣賈?暗躍す
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「言葉遊びなどするな」
段?は厳しい表情で賈?の顔を見据えた。賈?は段?の視線を逸らすことなく真っ直ぐ見ていた。
「劉正礼には死んでもらいます」
賈?は堂々と段?に言った。
「お前は正気なのか!?」
段?は困惑した表情で賈?を見た。
「ええ正気です。上洛した劉正礼と会い、彼を御すのが難しいと分かった時は劉正礼を殺す機会を窺います。表向きは劉正礼に服従し機を見て禁軍と董卓軍合わせ十五万で攻め殺します。私達は皇帝陛下を確保し、逆らう百官を斬り殺し朝廷を完全に掌握します」
賈?の狂気の計画に段?は顔を強張らせた。
「お前には挟持がないのか!」
段?は賈?の言葉に激怒した。
「劉正礼は三千の兵しか連れず上洛するなら争いのために上洛するのでなく私達と話し合うことが目的なのでしょう。それに私達が大人しく付き合う道理はありません」
「詠、清河王をだまし討するつもりか?」
「ええ。劉正礼が上洛中でなければ彼を殺す機会は永遠に訪れない。彼の妻である周公瑾を駒として手元に置いとけば劉正礼は逃げることはできない」
「卑劣極まりない。お前は月様の目の前で同じことが言えるのか?」
段?は賈?に失望したかのような様子だった。
「卑劣? 私達は政治をやっているんです。私達が有利にことを進めるためならどんな卑劣な手段も惜しまないです」
「お前のやっていることは綱渡りのように危ういものだ。もし、失敗すれば私達全員が破滅することになるのだぞ」
「権力を握るとはそういうことです。好機を逃さずぎりぎりの駆け引きで高みを目指す。何が間違っていると言うんです!」
賈?は段?に対して声を荒らげた。先程まで段?へ敬意を感じさせた賈?の態度からは想像もできなかった。
「周太守に何をするつもりだ?」
「何もしません。周公瑾はあくまで人質です」
賈?は謀臣と評するに相応しい冷徹な笑みを浮かべ段?に告げた。段?は表情を固くした。賈?の狙いが正宗であると分かったからだろう。そして冥琳はあくまでも正宗への保険といったところか。
「清河王を殺すことにしくじったらどうするつもりだ」
段?の様子から賈?の策に同意していないことが伺えた。
「私は劉正礼を殺す機会を窺うだけです。確実に殺せないなら諦めます。ですが、殺せると確信したら私は迷わず劉正礼を殺します」
賈?は覚悟を決めている様子だった。
「清河王と対立する考えは捨てろ」
「静玖さん、もう話は終わりです。仕事に戻ってください」
賈?は段?の言葉を拒絶して遠ざけようとした。
「詠、清河王と対立するような真似は止せ。彼の風下に立つことが何故不満なのだ? 相手は華北四州の実力者。対立しても無益だ。月様とて天下な
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