第150話 謀臣賈?暗躍す
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れた」
賈?は気を取りなすと司馬防の名前を出した。
「治書御史は受け取らなかったっすよ」
李粛は即答した。
「それだけ? 何か他にないの?」
賈?は切れそうな表情で李粛に尋ねた。
「ええっと。治書御史の屋敷に行って門衛に治書御史に会わせて欲しいと頼んだっす。そしたら門衛は一言『お帰りください』と言うんで帰ってきたっす」
「一度断られただけで帰ってきたの?」
「やだな〜。 詠さん、餓鬼の使いじゃないんですよ。しつこく食い下がったんすよ。贈り物だけでも受け取って貰えないですかね〜と頼んだっすけど無理だったす」
李粛は額に一筋の冷や汗を流し身振り手振りで時には大袈裟な動きを織り交ぜながら自らがいかに頑張ったかを賈?に必死に弁明した。
「想像通りの反応ね。あまり期待してなかったからいいわ。それに目的は達成できたしね」
賈?は興味を失ったように李粛から視線を逸らし、口元に指を当て考え事をはじめた。
「あの〜。詠さん、馬届けて来なくても良かったんすか?」
李粛は考え込む賈?に声をかけた。だが、賈?は李粛の問いかけに答えず考え込んだままだった。
「詠さん、アタイにも分かるように教えてくださいよ!」
李粛は蚊帳の外に置かれふて腐れ賈?に文句を言った。
「五月蠅いわね」
賈?は李粛を面倒臭そうに睨んだ。
「アタイに使いをやらせておいて何も教えないなんて狡いっすよ」
李粛は賈?に抗議をした。
「仕方ないないわね」
賈?は面倒臭がりながらも李粛に事情を説明する気になったようだ。
「あんた劉正礼を知っている?」
「劉正礼? えーと。ああ、思い出した! 恋が言っていたか超強そうな奴っすよね」
李粛はわくわくした様子で賈?に返事をした。賈?は李粛の調子に少し疲れている様子だった。
「劉正礼は車騎将軍にして先帝から清河王に叙爵された人物で冀州を地盤に華北に強い影響力を持つ人物よ。先帝の信頼が厚い証に彼は太守すら独断で処刑できる使持節を与えられているわ。現在の皇帝陛下も口には出さないけど劉正礼を信任してそうよね」
賈?は不満そうに言った。先帝に信頼され、現皇帝にも信任される正宗を警戒する彼女の気持ちは当然と言えた。正宗を排除することは容易でないからだ。また、現皇帝の妹である劉協は表にこそ出さないが正宗のことを信頼している節がある。そして、王允を中心とした清流派の官吏からの強い支持もある。正宗は賈?にとって厄介この上ない存在となっていた。
「そいつがどうしたんすっか?」
「劉正礼は私達の敵よ」
「そうなんですか」
李粛は何でもないような反応だった。賈?は李粛の反応がお気に召さなかったのかこめかみに青筋を立てた
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