ターン29 鉄砲水と『D』
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ュエルスタイルを見失ってるようにしか見えないけど、そもそも先代からのちょっかいがあったとはいえ怒りに任せてモンスターを捨て石にするデュエルをついこの間まで繰り返してた僕がそれを言っても説得力がないだろう。
「まあ、今日明日のうちにデュエルしにいくわけじゃないんでしょ?ジェネックスは続くんだし、まだまだのんびりやろうよ」
「う、うん」
「気の長い話だな。まあいい、俺はもう部屋に戻る」
万丈目がそう言ったのをきっかけに、その日はそれでお開きの流れになった。結局翔の悩みを解決することはできずにその表情は暗いままだったが、たぶん大丈夫だろう。翔だって案外精神力は強い方なのだ。もう翔の仲じゃ黒歴史だろうけど、なにせこのヒト偽ラブレターに引っかかってわざわざ男子禁制の女子寮まで忍び込む行動力があるんだから。
「大変だドン、カイザーがエド・フェニックスと正門前で鉢合わせて睨み合ってるザウルス!リベンジマッチが始まるんじゃないのかって学校中大騒ぎになってるから、アニキたちも早く来るドン!」
そんな知らせを剣山が持ち込んできたのが、その次の日。ったく、僕がいくらのんびりって言ってもヘルカイザーの方から何かやらかすんなら意味ないじゃないの。とはいえ、いくらアカデミアが広いとはいえ1つの島の中に本校プラス大会の時から帰らないノース校の皆さん方、それにプラスでわんさかやってくるプロデュエリストだ。これだけ人口密度が上がってれば、そりゃむしろ出会わない方がおかしいといえばその通りだけど。
「ぼ、僕」
「行こうぜ、翔!」
「センキュー剣山!」
僕と十代が走り出すと、若干遅れて翔も駆けだした。ま、これもいい機会といえばその通りか。あとは、これがいい方に転んでくれるのを祈るだけだ。
しばらく行くと、剣山の案内が無くてもすぐに分かった。なにせおなじみの白服軍団の他にも、今話題沸騰中のプロデュエリストかつ因縁の相手である2人のデュエルが見られるかもしれないと島の外から来たプロまで一緒になって人だかりを作っていたからだ。当然というかなんというか、クロノス先生とナポレオン教頭の姿もある。仮にも生徒と元生徒に対しその態度はどうかと思わなくもないが、それもあの先生たちらしい。
「お兄さん!」
翔もなんとかしてその人だかりの中に入っていこうとするものの、いかんせん背が低くて力も一般人並みにしかない翔ではデュエリストの中を割って入るのは難しいようだ。見ていても仕方がないので後ろから手を伸ばし、人だかりを片っ端から掴んではこじ開けていく。僕も見たいから自然と熱が入り、ついうっかりダークシグナーの力を使わないようにこらえながらの作業なので案外骨が折れる。慰謝料的な意味で怪我させたら大変だし。それでもどうにかヘルカイザーが見える
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