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ウルキオラの転生物語 inゼロの使い魔
第5部 トリスタニアの休日
第4章 トリスタニアの休日
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い、恋に落ちるんだけど……。お互い身分がわかると、離れ離れになちゃうの。悲しいお話よ」

そんなわけで、若い女の子に人気のことだった。

なるほど、客席には若い女性が溢れている。

やっとのことで席を探し当てたとき、幕が上がった。

開演である。

音楽が奏でられ……、美しく劇場内に響いた。

「すごい…」

ウルキオラは、と見ると、興味がないというような目で見ていた。

ウルキオラは、芝居などには全く興味がないので、今すぐここから立ち去りたいが、それをぐっと抑え腰を下ろしている。

そうしてまず最初に思ったことが、役者が下手…ということである。

声が裏返り、歌う場面では音痴が炸裂している。

びどいものである。

しかし、ルイズはそれでも感動しているらしく、笑ったり、はっ!としたり、ボロボロ泣いたりしている。

ウルキオラは少しだけ…ほんの少しだけだが引いてしまった。

これ以上みていられないと判断し、目を閉じた。

ルイズは目を閉じたウルキオラを見て、カッカした。

な、なによ!こいつ……、せっかくのお芝居なのに!私が誘ったのに!

ルイズにとって、これはデートなのである。

記念すべき生まれて初めてのデートである。

だから待ち合わせなど細部にこだわった。

それなのに、ウルキオラときたらそんなことに気づきもしない。

おまけにエスコートしない!

劇場の場所さえ調べていない!

その上、お芝居を見ていない!

ま、まあお金を出したのはウルキオラだし、席を間違えたのも私だけど、それでも苛立ちを隠せなかった。




さて、もう一組、ウルキオラと同様に芝居を見ていない客がいた。

先ほど、ルイズに席の間違いを指摘した、初老の貴族である。

彼は商人風の男と並んで腰掛け、密談に精を出していた。

その内容は……トリステインの将軍達が聞いたらひっくりかえってしまうような内容だった。

そこでは、非常に高度なトリステイン軍事機密が、まるで世間話のように交わされていた。

「で、艦隊の建設状況は?」

と商人風の男が問うと、

「少なくとも半年はかかるでしょう」

と貴族の男が答える。

小言で何度かそんなやり取りが……、王族の機密に関する情報が交わされた後、商人風の男は貴族の男に小さな袋を渡す。

貴族の男は中を覗いた。

中にはぎっしりと金貨が詰まっている。

商人風の男がささやいた。

「しかし……、劇場で接触とは考えましたな」

「なに、密談をするには人ごみの中に限ります。ましてやここではひそひそ話をするのが当たり前。芝居小屋ですからな。どこぞの小部屋などで行えば、そこでよからぬ企みが行われて
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