第5部 トリスタニアの休日
第4章 トリスタニアの休日
[2/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
んぞを見に行くことになったかというと……。
本日は週半ばのラーグの曜日、お店は休みになる。
ルイズが「芝居に行きたい」と言い出したのはこの日の早朝であった。
「芝居だと?」
「そうよ」
ルイズはなんだか気恥ずかしそうに呟く。
「お前、芝居が好きなのか?」
「別に好きじゃないわ。でも、見てみたいの」
「そうか」
ルイズはこくりと頷いた。
考えてみれば、ルイズは地方の出身である。
厳しくしつけられたため、見に行ったりすることができなかったのだろう。
「だが、何故芝居なんだ?」
「ジェシカが言ってた。今、そのお芝居がとっても流行ってるんですって」
ルイズも女の子。
流行りものには弱いようだ。
そして……。
ルイズは何故か待ち合わせを主張した。
「一緒に行ったら気分が台無しじゃない!こういうのは気分が大事なの!だから待ち合わせするの」
「そういうものか」
「そういうものよ。いいこと?中央広場の、噴水の前まで私を迎えに来て頂戴」
「面倒だな」
「面倒じゃない!そこからタニアリージェ・ロワイヤル座はすぐなんだから」
「そうか」
そして、待ち合わせすることになったのだった。
タニアリージェ・ロワイヤル座は、なるほどすぐだった。
豪華な石造りの立派な劇場である。
円柱が立ち並び、どこか神殿を思わせるような作りである。
おめかしした紳士淑女が階段を上り、劇場の中へと吸い込まれていく。
ルイズたちも後に続いた。
切符売り場で意外に安い切符を買い、ルイズたちは客席へと向かう。
舞台には緞帳が下りて、辺りは薄暗く……、なるほど神秘的な雰囲気でルイズはわくわくし始めた。
席には番号が振られ、切符に書かれた番号に座るようだったが。浮かれたルイズは気づかずに、違う席に座ってしまった。
ウルキオラと並んで開幕を待っていると、一人の身なりのいい初老の男性に肩を叩かれた。
銀髪が美しい貴族であった。
「お嬢ちゃん」
「は、はい」
「その席は私がずっと予約している席でね。お嬢ちゃんの席は別の席じゃないのかな?」
そう言われ、切符の番号を確かめる。
男性の言う通りであった。
ルイズは慌ててウルキオラを促し立ち上がる。
「バカが」
「うるさいわね!」
ルイズはウルキオラの文句に対抗しながら席を探した。
ウルキオラはルイズに尋ねた。
「どういう劇だ」
「…『トリスタニアの休日』」
「どんな話だ」
「とある国のお姫様と、とある国の王子様が、身分を隠してこのトリスタニアにやってくるの。二人は身分を隠したまま出会
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ