七話:道場と日常
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一般人に対して静かに首筋に刀を押し付けてくるのは武芸者としてどうかと思うがこれが最近のミカヤとの挨拶みたいなものとなっているので気にしない。
それにしても感想か……正直言って細かいところは見えなかったからな。
大雑把に言うとしよう。
「万が一、格闘型に間合いを詰められたらどうするんだ?」
「そうならないように今、何もさせずに斬り落とす鍛錬をしているんだ」
「いや、それは分かる。俺が言っているのは保険があるかどうかだ。万が一にも起こるのならそうなった時にどうするかぐらいは考えておくべきじゃないかと素人ながらに思った」
「そうか……ありがとう、参考までに考えてみるよ」
少し、思案気な表情をしながら答えるミカヤ。まあ、何かしら考えているんだろうな。
さて、後はアインハルトちゃんだが正直始めて見る型だから何とも言えないな。
まあ、強いて言うなら―――
「その猫ちゃん可愛いな」
「えっと、ティオは一応猫じゃなくて豹です……」
『にゃ〜ん』
「………豹なのか」
「……豹です」
アインハルトちゃんが頑なに言い張るという事は、ティオは豹なんだろう。
鳴き声が例え猫っぽくても豹なのだろう。
そう、例え俺が猫じゃらしで遊んでやっているとしてもティオは豹なのだ。
猫じゃらしにつられてコロコロと転がっているとしても豹なのだ。
決して猫ではない。
『にゃあー!』
……猫ではない。吾輩は豹である、名前はティオである。
「ま、まあ、取りあえず俺みたいに常にリラックスして挑めばアインハルトちゃんは大丈夫だろ」
「君はリラックスしすぎて頭のネジが五、六本はずれているけどね」
「失礼なことを言うな。せいぜい二、三本の間違いだろ」
「あの……二、三本でもダメなのでは?」
そろそろといった感じだがアインハルトちゃんのツッコミが入る。
このまま磨きをかけていけばいつかは立派なツッコミ役へと進化できるだろう。
思わず、将来有望なアインハルトちゃんの頭を撫でてしまう。
どうすればいいのか分からずに顔を赤らめさせている姿が非常に可愛らしい。
「どうやら、今夜の月はロリコンの血で赤く染まりそうだ」
「待つんだ。最近よく間違えられるが俺の好みはおっぱいの大きな女性だ」
「それは告白と受け取ってもいいのかな」
「むしろ、お前はこんな最低の告白でいいのか」
無表情のまま頬に手を当ててテレるミカヤに思わずツッコんでしまう。
こんなにノリの良いやつと親交を持っていられるのは嬉しいが俺以上のボケは俺の影が薄くなるからNGだ。
アインハルトちゃんはまだ頬を赤くしながらボケの嵐に混乱している。やっぱり、可愛い。
「アインハルトちゃん、お兄さんの妹にならないかい?」
「
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