第6章 嵐の前の静けさ 〜アルレスハイム星域会戦前夜〜
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イル艇「M-932」の艇長を務める。
姉のキャサリン・コリンズは、ハイネセン国立大学理工科を卒業した秀才で、予備役将校訓練課程修了後は第4艦隊や第1艦隊で情報士官を務めて予備役中尉で一時退役し、現在は国土交通局の宇宙船舶管制センターに勤めている。と彼女は私に話してくれた。
なのに、ニコールは一般志願兵でキャリアをスタートさせているが、彼女曰く最前線の衛生兵勤務をしておかないと軍医としては使い物にならないからこうしたそうである。
彼女の家に到着し、彼女がインターホンを押すと初老の男性と40歳前後の女性が立っていた。
彼女の父と母であった。
私は
「夜遅くにすみません。」
と頭を下げたが
どちらの両親とも
「いいんですよ中尉。
娘がね、あなたの話をよくするもんで一度お会いしてみたいと思ってたのですよ。」
「さあ、どうぞおあがりなさい。」
と2200時になっていたが、彼女の家に上がった。
マッド少佐とマリン大尉とはさまざまな軍務の話に花が咲きかなりの時間までしゃべってしまっていた。父親という感じはかろうじて知っていても、母親という感じをほとんど知らない私にとってこの両人はとても私にやさしく接してくれた。
そして、2400時を回ったあたりでゲストルームに通され、着替えや寝間着をマリン大尉に渡されそのまま寝ることにした。
家族とはあのような感覚なのか。ということを初めて実感したのであった。
そのまま翌日の0600時まで寝ていた私は自動的に目が覚めた。
そして、コリンズ宅で朝食をとって1600時にハイネセン中央軍港でニコールと落ちうことを約束してコリンズ宅を出た。
自分の官舎に帰った私はシャワーを浴びて、私服に着替えて軍務に向けてスイッチを切り替えた。
作戦の確認、突入する戦艦の種類の確認、艦橋への侵入経路などである。
そうこうしているうちに、出撃メンバー全体会議の時間になりそれに出席する。
そこでは、バークレー中佐からの敵艦隊への侵入経路、注意事項そして、リンツ大尉からの強襲揚陸時の作戦行動についてであった。
それも終わり、私は全体より少し早くハイネセン中央軍港へ向かった。
出発まであと1時間半
リプトン軍曹との装備品打ち合わせを済ませ、ロビーでニコールを待つ。
出撃まで1時間。
その戦いはあまりに知名度は低いものの、私にとってこの上なく特殊かつ複雑な作戦が始まろうとしていた。
宇宙歴792年 1月28日のことである。
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