第6章 嵐の前の静けさ 〜アルレスハイム星域会戦前夜〜
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中に後方支援の重要性を講義しに来た時に私が無粋な質問をしてしまってから興味を持たれ、いろいろとお世話になった人である。
彼女は私の胸に顔をうずめながら
「でもこうして、私はあなたと出会ってあの地獄を生き残ってるわ。
私ね、ヘンシェルの時死ぬかもしれなかった。
だけどね、あなたが私に言った言葉が私の中でよみがえったの
生き残れってね」
そこから、ダンスをしながら彼女は彼女のヘンシェルの地獄を話してくれた。
彼女の配属されていた衛生分遣隊はほとんど壊滅し、帝国軍の装甲擲弾兵部隊が彼女たちの立てこもる野戦病院壕に踏み込んでくるのは時間の問題だった。
当然のことではあるが侵攻してくる擲弾装甲兵部隊と銃撃戦になった。
しかし、防戦むなしくやはり戦闘部隊ではない衛生分遣隊は急激に残存兵力を減らしていった。
彼女はもはやこれまでと思いピストルを頭に向けた瞬間に私の声がよみがえり、思いとどまったそうだ。
そして、救援無線信号をあげて拠点防御用機関銃で弾薬の尽きるまで撃ち続けたそうである。
隣接していた見方の白兵戦部隊が救援に駆け付けたそうである。
ダンスをしながら彼女は泣き始めた。
たぶんその時の恐怖が思いっきりこみあげてきたのだろう。
私は彼女をやさしく抱いた。
「大丈夫。僕はここにいる。どこにも行かないよ。」
と彼女を包みながら言った。
そして、
「そんなに泣いたら、せっかくの美人が台無しだよ。
ほら、泣かないで。」
と言って、彼女の涙をふき取る。
彼女は
「まったくそういうやさしいところも好きになっちゃうわ。」
と言って、唇をふさいできた。
時計を見ると2100時そろそろ閉店だ。
「そろそろ、ここから出ないと。
閉店だよ。」
「そうね。そろそろいかないとね。」
そうして、私たちは店を離れた。
店を出ると、夜風が当たる。
涼しい。
第1艦隊駐留基地へ足を向けようとしたら、
彼女が手を引っ張って
「実は、今日から学校が1週間休みなの。
出兵があるらしくて、うちの教官のほとんどが今回出るみたい。
だから、寮に帰ってもいいけどみんな帰っちゃったわ
一人はやっぱり怖いわ」
なんて嘘を言っているのは明白であったが・・・
「じゃあ、どうしたい?」
「そうね…あなたが私の家に来るのは?」
「でも、そっちは家族がいるだろ。」
そう、彼女の両親は軍人で、姉も予備役の軍人であったはずだ。
「構わないわ。当初からそのつもりだったんだもん。」
えー・・・・
なんだかんだで、彼女の家に行くことになった。
彼女の父はマッド・コリンズ少佐で第9艦隊第24空母打撃群の第224飛行団第7対艦攻撃飛行隊指揮官である。
彼女の母 マリン・コリンズ大尉は女性では珍しいミサイル艇乗りで第1艦隊第88ミサイル艇隊旗艦ミサ
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