第6章 嵐の前の静けさ 〜アルレスハイム星域会戦前夜〜
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は「第1砲術士養成所」、「第1幹部候補生養成所」などが存在する。また、その中でも特殊なのが士官学校の一種であるのに艦隊駐留基地の中にある「ハイネセン第2衛生軍医士官学校」である。
私は、その施設の前である人物を待っていた。
そして、1915時きっかりに
「エーリッヒ! お久しぶり。」
と言って出てきたのは、ニコール・コリンズ曹長である。
「やあ。」
と一言声をかける。
少し、薄化粧をしているようだ。化粧をしなくてもきれいなのにな。
なんて思いながら並行して歩く。
今日1月27日は実は彼女の誕生日なのだ。
もうちょっと自分の階級が高くて給料があったら彼女をどこかいいところに連れていけたらいいのになと思いながら目的地である「バー・シュトックハウゼン」に向かう。
あたりは雪が一面に広がっていた。
私は軍服の上に軍用トレンチコートを羽織って、彼女からついこの間もらったマフラーをまいていた。
彼女も軍服の上に軍用トレンチコートであったが、私が少尉としての初給料が出たときに買ってあげたマフラーを巻いていた。
歩きながら彼女の軍医士官学校での話や私のローゼンリッターでの話をお互いにしながら歩いていた。
目的地である「バー・シュトックハウゼン」はローゼンリッター連隊第10代連隊長である、カール・フォン・シュトックハウゼン退役少将が経営するレストランバー兼ダンスバーだ。
リンツ大尉が教えてくれて何回か来たことがあった。
店に入るとやはり第1艦隊駐留基地周辺にあるので軍人が多いが、一般人もいる。
バーは少し小高い丘にあり周囲は静かな高級住宅街である。
したがって、夜景は最高である。
シュトックハウゼン退役中将が直接席を案内してくれた。
にこにこしながら、耳元で
「シェーンコップ中佐から、いろいろと聞いているからゆっくりしていきな。」
と帝国語でささやいて個室のドアを閉めた。
夜景がガラス張りのところから見える最高にきれいなところであった。
ダウンライトの中でお互いに席に着く。
ニコールが私の手の上に手を置き
「ありがとうね。
私のためにここまでしてくれて。
けっこう高かったでしょ?ここ。」
事実高かった。
やはり高級住宅街にあることから、一中尉ごときの給料ではけっこう堪えるものがあったが
ここを勧めてくれて、全体金額の20%を割り引いてくれるようにシュトックハウゼン退役少将に行ってくれたのはシェーンコップ中佐であった。
最初は断ったが、中佐は
「女性をいいところに連れて行くのに大胆に行動しないのはそれはふられるとかじゃなくて、
失礼だ。」
と言われて、受けることにした。
「もちろん、浮いた分の金で何か買ってやれよ。」
と言われてしまった。
でも、なんで中佐が知っていたのかは不明だ。
どこから、情報を
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