屋上での会話
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ダン・ブラックモアは元は英国の軍人で、今は退役をしているが現役時代は優秀な狙撃手であり霊子ハッカーでもあったらしく、現実世界と電脳世界の両方で数多くの戦功を上げたダン・ブラックモアは軍人でありながら英国の女王陛下から騎士の称号である「サー」の称号を与えられたそうだ。
特に狙撃手としての力量は凄まじく、現役の軍人であった頃は敵陣を匍匐前進で一キロ以上進み、たった一人で敵軍の指揮官を狙撃するなんてのは日常茶飯事だったとか。
全くもってデタラメな経歴だと思う。一体どこのコードネームに十三がはいっている狙撃手だ。
「そ、そんな凄い人だったんだ。あの人……」
僕の話を聞いてようやく相手の力量を理解した北斗が冷や汗を流し、凛が頷いてから口を開いた。
「そういうこと。強靭な精神力はそのまま強さにと繋がるわ。青野君、いくら貴方のサーヴァントの宝具が強力でも、それだけではダン・ブラックモアには勝てないわよ?」
「宝具? 何それ?」
「………………!」
凛の言葉に北斗は本日二回目のキョトンとした顔をして、その隣では彼のサーヴァントであるキャスターが一瞬体を震わせて明後日の方に顔を向けた。
……え? 何? この反応?
「何それって、宝具よ。宝具。アーサー王のエクスカリバーのような、その英霊を象徴する武器や特殊能力。言わばサーヴァントの必殺技。青野君だってサーヴァントの宝具を使って間桐君に勝ったんでしょ?」
「いや……。俺は一回戦で宝具を使っていないよ。というより宝具って言葉も今初めて聞いた」
「そういうこと。キャスター、貴女わざと宝具の説明をしていなかったでしょ?」
「〜〜〜♪」
凛と北斗が話している途中でそれまで黙っていたアヴェンジャーが口を開き、その言葉にキャスターは口笛を吹くふりをして誤魔化そうとしていた。
「アヴェンジャー? どういうことだ?」
「どういうことも何も、今までの様子からキャスターのマスターは全くの戦いの素人なんでしょ? そんな素人に宝具のことを教えていたらどこで情報を漏らすか分からないから、このキャスターはわざとマスターに何も教えなかったってわけ。この分だと真名の方も教えていないんじゃない?」
何てことはないといった風に説明をするアヴェンジャーの言葉はある意味納得できるものだった。確かにサーヴァントの情報の漏洩はこの聖杯戦争では致命的だが、最初から知らなければ漏れようもないからな。
そして明後日の方を見たままでこちらを見ようとしないキャスターの様子から、アヴェンジャーの予想は当たっているのだろう。
「宝具も使わずに間桐君を倒したって……青野君、それは本当なの?」
「え? ああ、本当だけど?」
「……間桐君は戦いの素
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