第28話 黒の剣士、妖精王に囚われる
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意識がなくなったのは一瞬の出来事だった。気が付くと、そこは白い壁しかない通路に居た。
「パパ、大丈夫ですか?」
ピクシーモードではなく、SAO時代の子供サイズのユイが目の前で心配そうに俺を覗き込んでいた
「あ、ああ……大丈夫だ。それでユイ、ここは?」
「判りません。マップ情報が無いみたいで……」
改めて周りを見て確認した。やっぱり白い壁しかなく……その通路はまるで病院や研究所のような清潔感がある通路……妖精の世界を舞台にしたALOには似合わない位に不自然さを感じながらも俺はユイにアスナが居る場所まで案内を頼んだ
「ユイ、アスナの居場所は分かるか?」
「はい、かなり……………かなり近いです。上の方……こっちです!」
そう言うとユイは走り出し、その後を俺は続いた。暫く走ると、ユイが立ち止り、壁の方を見る。
「ここから上部へ移動出来るみたいです」
その壁には四角い扉のようなものがあり、脇には三角形のボタンが二つあった。
「これは……エレベーターか?」
俺は一瞬考えながらも上向きの三角ボタンを押す。扉が開き、部屋の中にはボタンの並んだパネルがあった。光っている所が現在位置ならアスナはここから二つ上のフロアにいるはず……そう思った俺は一番上のボタンを押した。その瞬間エレベーターは動き、上昇してる感覚が体に来た。エレベーターはすぐに停止し、扉が開いた。再びユイは走り出し、いくつもの扉を素通りし、今度は何もない壁の前で立ち止まった
「どうしたユイ?」
「この壁の向うに………通路があります!」
そう言うとユイは何も言わずに壁にそっと手を触れる。すると……
―――ブォン!―――
「なっ!?」
一部の壁は四角に取り除かれ、そこには同じような通路が長く続いた。そしてその通路を進み、通路の終わりには四角い扉があった。ユイはそのまま走り出し、左手を伸ばし勢いよくその扉を押し開いた。
そして扉の外の景色は生い茂る木の枝、白い雲と澄み切った青空……世界樹の頂上だった
「これは………」
だがその景色にあるべきモノが無かった。グランド・クエストをクリアすれば行けると云われていた空中都市が存在していなかった。
「無いじゃないか……空中都市なんて………」
グランド・クエストなんて言いながらそれが全て嘘だった。一年以上もALO全プレイヤーを騙し続けてきたこの世界の運営者……須郷に俺は怒りが込みあがってくる感覚を感じながら同時にヤマナミさんが言ってた言葉を思い出す
『須郷は総合電子機器メーカー“レクト”の社員にして同社のフルダイブ技術研究部門の主任研究
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