暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
適能者-シュウ-
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連絡にかかる。
「こちら黒崎。隊長、応答願います。………隊長?」
しかし、連絡は帰ってこなかった。画面にも音信不通のサインが出され、和倉たちとの連絡は完全に途絶えた。
「通信できないのか…」
参ったな…とシュウは呟く。ここがどこなのかまるでわからないのでは…。

――――シュウ

「!」
誰かの声が聞こえてきた。後にまた聞くことになる、少女の声。聞こえてきた方角は、ちょうど遺跡の方角だった。
誰かが俺を呼んで?いや…この声って…。
いや、そんなはずがない。何かの聞き間違いだ。けど、不思議だった。得体が知れない存在には近づかないのが常識なのだが、シュウはあの遺跡から、今の声から強く引かれる何かを感じていた。
足が、動く。何かに引っ張られていくかのごとく。気がつけば、シュウは遺跡の方へと歩き出していた。
遺跡の周囲には、見覚えのある怪物…スペースビーストと思われる獣たちの彫刻が彫られていた。それらを見渡しながら、彼は遺跡の入り口へ足を踏み入れた。
最初、中は暗かった。何も見えない。真っ暗な闇しかなかった。だが、彼が足を踏み入れ闇の奥を覗き込んだ途端、彼の訪れを待っていたかのように、遺跡の中に松明の炎が点る。それによって遺跡の奥深くまで道が見えた。
一歩ずつ、見えない何かに導かれながら、シュウは奥の方へゆっくりと歩き続けた。
やがて、彼は遺跡の最深部へとたどり着いた。そこにあったのは、2メートル近くの、何かを象ったような石像が安置されていた。
ただの石の筈…最初はそう思っていた。けど、どうしてかその石像から不思議な何かの気配を感じた。引っ張られるようにそれに触れようとしたシュウ。
しかし、済んでのところで彼はおぼろげな恐怖を覚えた。触れたら最後、何か恐ろしいものに飲み込まれてしまうのではないかと言う恐怖。怖くても触れることが叶わない。
と、そのとき…シュウは背後に気配を感じた。
彼には見えなかったが、顔がちょうど影で隠れて見えない、誰かが立っていた。

――――大丈夫

「!」
また声が聞こえる。周囲を見渡すシュウだが、姿が見えない。だが、さっきの気配は確かだったし、この声には…聞き覚えが間違いなくあった。でも、シュウには信じられなかった。
(お前…なのか…?いや!そんなはずはッ…!)
動揺を露にしていくシュウに、声の主は優しく語り掛ける。

――――光は、あなたを導くわ

なぜだろう。危機覚えがある分だけ、余計に得体が知れないはずなのに、どうしてこう、心が安らぐのだろう。声を聞くうちに、シュウは不思議なほどに落ち着きを取り戻した。
再び、勇気を持って石像と再度向かい合うと、彼は石像に向けて手を伸ばし、触れた。

バチィッ!!

「っぐぁ…!!?」
一瞬、指先が触れた途端、どうしてか突然電撃
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