暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
適能者-シュウ-
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マンとなったことで、同化しているもう一人の自分自身と共に気持ちを新たに、この世界を守るために戦うことを決意した。ルイズも、虚無の力という思い重圧を覚えながらも、今まで『ゼロ』と罵倒され続けた自分を親友と認め信頼してくれた姫の期待に応えるために前に進むことを決意した。
彼らが『白』や『青』なら、シュウは、自分を色で表すなら『黒』か『赤』を選ぶ。どちらも悪い方向に考えれば、いやなものを連想させる色だ。
厨二臭いだのなんだと言われるとしても、シュウには自分がそうとしか思えなかった。
何せ、自分を黒と表すしかない『トラウマ』が、彼の中で拭い去れることなく刻まれていたのだから…。

あの時からずっと夢に見続けている。何度もうなされている。
この世界に来てからも、地球にいた頃からも。

戦場、たくさんの人たちが銃撃、爆風を受けて死んでいく中、誰かを探し求めながら駆け抜けて行きながらも、最期に自分もその凶弾を受けてしまった少女。

雨の中の、壊滅した建物の中央。そこにはずぶ濡れの姿で泣き叫び続ける自分と、その腕の中で眠りについた少女の安らかな顔を。

その果てに見たものは…。

夕暮れに照らされた緑の生い茂るジャングル。その中央の丘の上に立つ、ロケットのように高くそびえた、その様式さえ見たこともない古い遺跡。その近くでは、夜の闇が迫ろうとしているのを、静かに見つめている自分…。

「シュウ!」
「…!…憐か」
シュウは、名前を呼ばれて起き上がる。そこは、地球で暮らしていた頃、憐と共同で自宅同然に利用していた、遊園地の楽屋だった。
俺は、いつの間に?さっきまでハルケギニアにいたんじゃなかったのか?混乱しているシュウをよそに憐が慌てた様子で声を荒げていた。
「『憐か…』じゃなくて!もうすぐ開園時間だぞ!また尾白たちにねちねち言われるぜ!」
開園時間と聞いて、シュウは寝床の傍らに置いていた置時計を見る。時間はすでに8:00。
「…わかった。すぐに行こう」
開園時間は1時間後の9:00。1時間の間に遊園地内で、フリースペースに設置するテーブルや椅子の用意、観覧車やジェットコースターなど、あらゆる遊具の準備をしておかなければならない。
「また…あの夢、か」
シュウはすぐに着替え、憐と共に遊園地の開園準備にかかった。


2010年、1月。
この時点で、シュウのいた地球にて、ある『最後の戦い』が終わってから数ヶ月が経過していた。元々は世間に決してその詳細を明かすことの無かったTLTの存在が自ら自分たちの存在を公表し、今まで姿を隠し通してきたことへの侘びもかねてこれからも市民のためにビーストと戦うことを公表してからしばらく経っていた。
「そっち焼けた!?」
「あ、ああ…!」
地球のとある遊園地。クマの耳の生えたキャップとエ
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