暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
適能者-シュウ-
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ミシミシと恨めしげに。
神々しい少女の優しい眼差しと温もりを一身に受けている、闇のような深い黒い髪を持つ青年。
彼を見るその影…サム少年は素手のみで木の幹を引っぺがすほどの力をこめていた。
サムは、呪っていた。あの時、自分の力でテファを自らの手で守ることができなかった己の無力さを。そして同時に、余所者のクセに図々しく村に留まっているあの青年に。気に入らないのに、新参者のくせにテファを悪党から救い出して見せ、他の子供たちからなお信頼を見事勝ち取ったあの男に…嫉妬の感情を抱いていた。
だが、それももうすぐ終わる。
あいつの持っている、白い短剣がある。あいつは気づいていないだろうが、あれさえあれば…巨人の力を手にできることを知った。
「見てろ…お前なんかじゃないんだ。僕だけが、テファ姉ちゃんを守ってやるんだ」
おそらく今のサムには、シュウは傲慢で目の上のたんこぶ以上に邪魔な存在でしかないのかもしれない。だが、自分自身が傲慢になりつつあったことに、彼は気がついていなかった。
そしてそれを、一匹の魔物が…額に紫に光るルーン文字を刻んだ、一匹のガーゴイルが見下ろしていた。
(発破はかけておいたわ。さて、どう出るかしらね…?)
ガーゴイルの視線の先には、サムと同様シュウの姿が映されていた。
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