適能者-シュウ-
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いがいる世界だし、何か面白い魔法でも見れるのかと思ったが、はっきり行って拍子抜けだった。おそらくこの盗賊たちはただの弱卒レベルでしかなかったのだろう。
ともあれ、これでテファを取り戻すことができた。
「無事か?」
「シュウ、どうして…」
テファはシュウになぜと問いかけてくる。
「村の子供たちが、お前が盗賊にさらわれたと聞いてな、村にエマを置いて行ってすぐにここに来た」
「ここはもう村から遠く離れているのに…」
「よくわからないが見えたんだ。お前がここのケダモノたちに襲われている様が」
「なんで、私を…助けに来たの?」
なぜ、と問われてシュウは内心、逆に疑問に思った。助けちゃ悪いのか?まだシュウを呼び出してしまったことに対する申し訳ない気持ちを抱いていたようだ。
が、その直後…盗賊の悲鳴がとどろく。驚いた二人はシュウの後ろの方角を振り返る。グロテスクなナメクジの化け物、スペースビーストであるペドレオンが集まっていたのだ。
「ひ…」
テファはそのおぞましい姿に悲鳴を漏らした。
今の悲鳴は盗賊の一人が触手で捕らえられてしまったことによるものだった。盗賊が食われた時、シュウは咄嗟にテファの目を覆った。こんな光景をテファに見せるわけには行かなかった。
さらに今の捕食で漂った血肉の匂いをかぎつけてか、ペドレオンがさらに集まってくる。ターゲットの反応は…全部で5体。ちゃんと視界の中にいる。しかし、テファを一緒にすると、少し動きづらい。先にテファを逃がした方がいいと判断したシュウはテファに逃げるように言い自ら囮役を担う。ブラストショットをペドレオンに向けて放ちながらテファを逃がし、自らはテファとは反対方向へ森の中へ。ペドレオンたちは全部シュウの方に向かっていく。
よし、ここなら。シュウはエボルトラスターを取り出す。最初は夢かと思った。でも、あの遺跡で起きたことは、確かな事実だった。このアイテムと銃がその証拠だ。
シュウは鞘からエボルトラスターを引き抜き二度目の、この世界で始めての変身を遂げた。
この戦いにも勝利し、無事テファと共に彼はウエストウッド村への帰還を果たした。テファと共に戻ってくると、エマたちがいっせいにテファの元に駆け寄ってきた。
「お姉ちゃん!!」
「う、うああああん!!」
「みんな…ごめんね。心配かけて…ごめんね」
皆がテファの無事を喜んだ。そしてテファも、みんなの元に帰ってくることができて嬉しかった。自分に抱きついてきた子供たちを、涙ぐみながらテファはぎゅっと抱きしめた。
「シュウ兄…ありがとう!お姉ちゃんを助けてくれて!」
「本当に助けるなんて…かっこいい!」
エマやサマンサがシュウのほうを振り返って、満面の笑みを浮かべてお礼を言った。あんな怖くて悪い人たちから、本当にシュウが、自分たちが慕う大
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