第二十四話 浦少佐!俺の胃袋は異次元だ!!その九
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「食べることの意義を」
「それは感謝の気持ちを忘れない」
「作ってくれた人全てに対する」
「だから食事は尊いのでごわす」
こう食べつつ言うのだった、そして浦はというと。この時彼は空軍衆の基地の中の食堂にいた。そこで昼食を食べていた。
その二メートル四〇近い体格でだ、丼十杯分、豚カツ十枚卵十五個葱三本を使ったとてつもなく巨大な丼の中のカツ丼をだ。
味噌汁、漬け物と共に食べていた。その食事を十五分を終わらせ。
そしてだ、長身であるが筋肉質で引き締まった空軍衆将校の軍服を着ていてもわかるその体格で言うのだった。顔は面長で長方形で眉が濃い。
「ご馳走様」
「いつもながら」
食堂の親父が彼に言う。
「見事な健啖家ぶりですな」
「有り難うございます」
「そして次の勝負も」
「はい、食べてです」
そしてというのだ。
「勝ってきます」
「少佐、頑張って下さい」
親父は両手の平を拳にして浦に言った。
「そして勝って帰って来て下さい」
「わかりました」
「その時はです」
勝って帰ったその時はというのだ。
「お祝いをしましょう」
「カツ丼ですか」
「何でも好きなものを仰って下さい」
こう言うのだった。
「作らせてもらいます」
「そうしてくれますか」
「はい、そしてお腹一杯です」
今の様にというのだ。
「召し上がって下さい」
「私は食べるしか能がありませんが」
「何を言ってるんですか、少佐は立派な方です」
親父は浦の謙遜を全力で否定した。
「いつもです」
「いつもとは」
「レーダー士官として万全の勤務をしておられます」
日帝衆にも自衛隊の様に様々な職種、即ちマークがある。浦の職種はレーダーなのだ。
「ですから」
「食べるだけがですか」
「その様なことは仰らないで下さい」
こう強く言うのだった。
「絶対に」
「では」
「はい、それにです」
さらに言う親父だった。
「少佐は常に食べものに対する感謝の気持ちを忘れていません」
「食材を作ってくれた方々、そして」
「私達にもです」
こう言うのだった。
「勿論給養の方々にも」
「それは常識では」
「確かに常識です」
しかし、とだ。親父は言うのだ。
「その常識が出来ていない人が多いこともまた確か」
「しかし私は、ですか」
「出来ています、少佐そして日帝衆の方々は食事についても模範です」
「だといいのですが」
「あの下衆兄弟に見せてやって下さい」
何処の誰かということは言うまでもない。
「人間としてのあり方を」
「私なぞにその様なことは」
「勝って見せて来て下さい」
「そう仰るのでしたら」
浦はその巨大な身体で謙遜しつつ応えていた、そしてだった。
彼は難波に向けて出陣した、そし
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