六話:放課後の日常
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置いてしまったじゃないか。
「安心してくれ。さっきはああ言ったが俺の好みはどちらかというとおっぱいが大きい女性だ」
「さらにセクハラ発言を重ねてんじゃねえよ」
「じゃあ、何て言えばいいんだ!?」
「逆切れしてくんなよ!?」
ロリコンじゃないと証明するために大きなおっぱいが好きだという以外に一体どういえばいいと言うんだ。
ハリーのおっぱい? はっ、出直して来い。
「今なんかすげーイラってきたんだけどよ」
「気のせいだろ。それよりも早いとこアイスを食べないと溶けるぞ」
危なかった。ハリーの勘というやつはどうやら相当な精度を誇るようだ。
地味に額に青筋を浮かべている。今度からは気をつけて弄っていかなければいけないな。
というか、リオちゃんとコロナちゃんがどうすればいいのかといった顔で俺達を見ているから早い所ハリーはサインを渡しなさい。
「ちぇ、それもそうだな。ホレ、こんなんでいいか?」
「ありがとうございます!」
嬉々とした顔でハリーからのサインを受け取る二人。しかし、その顔は何故か驚愕に変わる。
何事か思って俺もハリーのサインを見てみるとそこには小さめのサインとやけにファンシーなおまけの絵が描いてあった。
あー……これは番長のイメージとかなり違うから驚いているんだな。
俺もよく抱く気持ちだから良く分かる。
「二人共、こいつは番長などと呼ばれているがその実はただのいい子ちゃんだ」
「い、いい子ちゃんですか?」
「優しい人だというのは分かりましたけど……」
「お、おい! 何ふざけたこと言ってんだよ!」
ハリーの秘密を二人に教えていると何故か横からどつかれてしまった。
おかしい、俺は間違いなく褒めていただけのはずなのだが。
そうか、ようやくこいつの本質が分かったぞ。こいつは―――
「こいつは見ての通りツンデレ系乙女だ」
「悪い、手が滑った」
「お、俺のチョコミントが優雅に宙を舞っているだと!?」
ハリーのほぼ間違いのない計画的犯行により羽もないのに宙を舞うチョコミント。
まるで『飛ばねえアイスはただのアイスだ』とでも言いたげな優雅な飛翔は見る者をくぎ付けにする。
しかし、俺にとってはそれどころではない。
「させるかぁぁあああっ!」
重力に従い真っ赤な果実のように落下していくチョコミント目掛けて決死のダイブを試みる。
あと少しで地面に落ちるというところで俺の手はアイスを見事に救い出すことに成功する。
手に感じるヒンヤリとした感触を味わいながら俺は安堵の息を吐く。
後ろでは俺のスーパーキャッチへの惜しみない拍手が送られてくる。
そこで実感する俺は守り抜いたんだと!
「リヒターって無駄に能力高いよな」
「失礼
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